本日は町田の東急百貨店で開催されている「山下清展」に行ってきた。
山下作品を見るのは初めてだったが、かなりよかった。タダだから、ということもあるかもしれない。入場料はひとり500円だが、東急のカード会員だと2名まで無料なのだ。
展示品は総数140点余りで、貼り絵に目覚めた10代頃のものと、ヨーロッパ旅行のものが多かったように思う。貼り絵だけでなく、ペン画や水彩画なんかも多かった。
貼り絵というと、色紙を切って貼るだけの塗り絵のような2次元的なものというイメージを持っていたが、そんなものは吹っ飛んだ。実際、紙の厚みで3次元的な奥行きがあるのだ。
また、ごま粒の半分くらいの大きさに切った色紙の細かい作業にも圧倒させられた。周囲の感想を漏らす声も「こまかいねえ~」というものが多かった。
独特のテクニックもある。たとえば「こより」。単に平べったい紙を貼るだけではなく、こよりにして貼ると立体感が生まれる。油絵で砂や貝殻の粉を混ぜたりすることがあるが、それと同じような効果がある。
こよりは木の枝なんかに多用されていたが、5本を並べて表現した木の幹なんかは、こより同士の境目がまるで木肌のように見えて面白かった。
他に自分が注目したのは「ロンドンのタワーブリッジ」の、タワーブリッジ上部の金網(?)だ。塔の本体とこよりの金網が重なった部分は、塔の手前に金網が浮き上がって見え、見事な3D効果でびっくりしたのだった。
さて、展示品は良かったのだが、普段バーゲンなどが行われる催事場ということもあって、会場の環境は劣悪だった。
まあ会場はしかたないとしても、残念だったのは絵はがきだった。
買おうと思って何枚か手にとっては見たものの、なにかおかしい。よぅく見ると、なんとトリミングされているではないか。印刷面に余白を作らないようにするため、上や下をカットしてしまったようだ。こりゃああんまりだ。なんてことしてくれたんだ。もう、これにはガッカリさせられた。
というわけで、絵はがきもカタログも買わずに会場をあとにしたのだった。
(東急まちだ店特設会場・2005年5月8日)
本日は町田の東急百貨店で開催されている「山下清展」に行ってきた。
山下作品を見るのは初めてだったが、かなりよかった。タダだから、ということもあるかもしれない。入場料はひとり500円だが、東急のカード会員だと2名まで無料なのだ。
展示品は総数140点余りで、貼り絵に目覚めた10代頃のものと、ヨーロッパ旅行のものが多かったように思う。貼り絵だけでなく、ペン画や水彩画なんかも多かった。
貼り絵というと、色紙を切って貼るだけの塗り絵のような2次元的なものというイメージを持っていたが、そんなものは吹っ飛んだ。実際、紙の厚みで3次元的な奥行きがあるのだ。
また、ごま粒の半分くらいの大きさに切った色紙の細かい作業にも圧倒させられた。周囲の感想を漏らす声も「こまかいねえ~」というものが多かった。
独特のテクニックもある。たとえば「こより」。単に平べったい紙を貼るだけではなく、こよりにして貼ると立体感が生まれる。油絵で砂や貝殻の粉を混ぜたりすることがあるが、それと同じような効果がある。
こよりは木の枝なんかに多用されていたが、5本を並べて表現した木の幹なんかは、こより同士の境目がまるで木肌のように見えて面白かった。
他に自分が注目したのは「ロンドンのタワーブリッジ」の、タワーブリッジ上部の金網(?)だ。塔の本体とこよりの金網が重なった部分は、塔の手前に金網が浮き上がって見え、見事な3D効果でびっくりしたのだった。
さて、展示品は良かったのだが、普段バーゲンなどが行われる催事場ということもあって、会場の環境は劣悪だった。
まあ会場はしかたないとしても、残念だったのは絵はがきだった。
買おうと思って何枚か手にとっては見たものの、なにかおかしい。よぅく見ると、なんとトリミングされているではないか。印刷面に余白を作らないようにするため、上や下をカットしてしまったようだ。こりゃああんまりだ。なんてことしてくれたんだ。もう、これにはガッカリさせられた。
というわけで、絵はがきもカタログも買わずに会場をあとにしたのだった。
(東急まちだ店特設会場・2005年5月8日)
もともと大学で中国古代史を専攻していたこともあるが、TBSの世界遺産で始皇帝陵を見て自分の中の中国史熱が再燃し、そういえば買ったまま読んでいない古代史の本があるなあと思い出して読んでみた。
この本を買った動機は、写真図版が多かったので。監修者序文と資料編を除く全ての頁に何らかの図版がある。本屋で何気なく手にとってぱらぱらと頁を繰ったとき、今まで名前だけで顔を知らなかった郭沫若や張光直といった考古学のエキスパートの写真も載っていて、おおーと思った。中国考古学の研究史も記述されていそうで、大学で自分が勉強したことのバックボーンを見直すきっかけになるかと思ったのだ。
きちんと読んでみると、考古遺物を元にした後漢までの文化史であり、考古学上の画期的な発見が年代順に整理されていて非常にわかりやすかった。何より図版が多いのがいい。本書のシリーズじたいが「絵で読む世界文化史」というのだから当然といえば当然か。
研究史としては第1章「中国近代考古学の誕生」や資料編「中国考古学の展開」の数頁にまとめられている、という程度だった。しかしそれでも、張光直へのインタビューなどもあったりして、この点でも満足できた。
原作者がフランス人ということもあってか、中国考古学におけるフランスの役割がちと持ち上げられすぎているような気もした。しかしこの感想は、学生時代の私が中国寄りの文献ばかり読んでいたせいかもしれない。
(コリンヌ・ドゥベーヌ=フランクフォール著(1998年)、工藤元男監修/南條郁子訳(1999年))(2005年5月17日読了)