史記は長く、全てを読むというのはなかなかたいへんだ。この本は登場する人物に焦点をあてているので、手軽にいいトコだけ拾えそうだなと思い、読んでみた。
なんとなくざーっと流し読みしてしまった。「人間学」といいつつも、人物像がなんだかはっきり浮かび上がっていないような気がしたのはそのせいかもしれない。中国古代史は大好きな分野なので、それでもまあまあ楽しめた。が、史学的な考察がなかったのはちょっぴり残念だった。
おそらくこれは筆者が歴史家ではないからだろう。しかし、文学作品の解説だと思えば悪くない。司馬遷の心情を推察したりなんかするあたりはまさしく文芸評論という感じがした。
そういえば、以前読んだ「山の社会学」の著者も報道出身だった。報道の人は題名になんでもかんでも「○○学」とつけるのが好きなのだろうか。
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