昨年の12月に買ったまま、読むのをすっかり忘れていた本を発見した。今となってはどうして買ったのかまったく思い出せない。が、とにかく読んでみた。
レヴィ=ストロースの著作は(もう10数年も前のことだが)「今日のトーテミスム」を読んだことがあって、書いてあること自体はわかったのだが、「だからなんなの?」という感想しか持てなかった。また、構造主義について書かれた解説書も読んだが、難解だったり退屈だったりで読み流してしまい、結局「構造主義ってなに?」という要求に応えてくれるものではなかった。
で、この本がこのふたつの不満を見事に解消してくれたのだった。ごく大雑把に一言でいうと「人類普遍の法則のようなものを探しだす」ということがしたいのですか。ふんふんと思って件の解説書をぱらぱらめくって見ると、ちゃんとそんなようなことが書いてあるじゃない。トホホ・・・
一番おもしろかったのは神話研究のくだりだった。さまざまな地域の民族の神話を解体し、共通項を拾い出して整理する。自分はこういったデータベース化作業が大好きなのだ。それに、神話によくある荒唐無稽なあらすじのわけもそれなりに説明がついているので、なんだかさっぱりした気分になった。
また、よく知っている日本の神話で同じ作業をするとどうなるだろうか、という興味がわいてきた。
これまでに読んだ構造主義の本はどれも、基礎的な知識があることを前提にした本だったのかもしれない。またそれらを読み直してみたいと思った。ただ、「あとがき」によればこの本は大方の研究者が承認していない解釈をするという点で通常の入門書から逸脱している
らしいので、ここでまた「通常」の本に戻ると迷宮にハマりそうな予感がしないでもない。
それにしても、「構造」と「体系」の違いがまだわからんとです・・・
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