KATZLIN'S blog

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シトラスセント甲州2005とカツオの刺身のマリアージュ2006-04-07 00:38

本日の夕食、鯛のソテー(バジルのソース)に合わせてこの甲州を飲んでみた。能書によるとシトラス セント(柑橘系の香り)が豊かに表現された甲州種のワインということで、この名前のようだ。

1,500円なら気軽に飲める。で、限定4,992本(この限定という言葉に弱い...)。千野家契約園のブドウを使っているとか。千野といえば、以前ソレイユワインの「千野甲州」なるワインを飲んだことがあるが、関係があるのだろうか?


軽く冷やして抜栓。直後はとくに強い香りはなく、控えめ。グラスにそそいで見ると、無色に近いのがいかにも甲州だ。しかし一口飲んでみて、その色からは想像もできないくらいの強い香りに驚いた。名前どおりの柑橘系で、同じ柑橘でもみかんではなく、明らかにレモンの感じだ。爽やかだが、ただ爽やかなだけでなくコクもある。これで1,500円なら充分と思う。

鯛にも合ったが、それよりも副菜のカツオの刺身によく合った。いつも、カツオ(に限らず刺身全般そうだが)を食べるときにワインを飲むと、魚が生臭く感じられて相性が良くないなあと感じていた。特にシャルドネなんかはひどいと思う。が、このワインと合わせるとカツオの臭みが完璧に消え、魚肉本来の味がでてきた。カツオにレモンをたっぷり掛けたからかもしれない。淡泊になりすぎて逆におもしろくないと感じる人もいるかもしれないが、自分にはこの方が好みだ。脂ののった部位も、ぎとぎとしたこってり感が消えて食べやすい。

醸造元のソウリューワイナリーのサイトを見ると、シトラスセント甲州辛口のヌーボーというのは載っているが、このノーマルの甲州は見当たらない(ラベルがそっくりだから姉妹品?)。ググってもわずかにヒットするのはそのヌーボーの方ばかり。ひょっとして超新商品なのだろうか。

最澄と天台の国宝2006-04-16 23:10

最澄と天台の国宝展
最澄と空海関連の展覧会が繰り返されている昨今。で、これも、「また最澄か、いいかげんにしろ」と思ってまったく行く気のなかった展覧会。しかし相棒が新聞でチェックしたところ、かなりのお宝が出てるんだとか。で、念のため出品目録をあたってみると、実は凄かった。
聖衆来迎寺の六道絵が全幅揃うことが呼び物となっているが、他にも非公開のため滅多にお目にかかれない兵庫県一乗寺の「聖徳太子及び天台高僧像」が出品されているのが、国宝ヲタクにとっては高ポイントだ。

六道絵の展示は4/16(日)まで。金曜夜に割引券をダウンロード・印刷して、土曜の朝に出かけた。


激混みなんじゃないかとビクビクしながら上野に行った。博物館到着は9:15頃。割引券用の窓口は3組しか並んでいず、すでにチケットを持っている人の列も、門から前の道路まで直線に並びきってしまうくらいの短さだった。これならじっくり鑑賞できそうだ。
門内に入ってから平成館まで歩く間に年配の観客をゴボウ抜きにして入場。今回は会場の順序が変則的で、3室から入って4室→1室→2室という流れだった。先に六道絵を観ようかと考えたが、この観客数ならヘタな小細工はしなくて済みそうなので、順路にしたがうことにした。
では、以下にインプレを。

聖徳太子及び天台高僧像(一乗寺蔵・国宝)
No.5。会期の前期では湛然が出品されている。入口を入ってすぐにある。単純に、きれいな絵だと思った。仏画は、炎があるか暗かったりするかで色彩的には赤や茶色のようなイメージをもっている。そんなこともあってあまり好きではないのだが、これは華やかで、良い。目がやらしいのが気になった。
書跡
前の「書の至宝展」はむちゃくちゃ混んだらしいが(それがイヤで自分は観なかった)、この書跡コーナーをみんなすっ飛ばしていくのはどういうわけなんだろう。貴重な嵯峨天皇や小野道風の真筆が置いてあるのに、あっさりと通過していくようだ。最澄の筆は相変わらず神経質そうだ。それでも延暦寺の宝物殿には読み下し文があって親しみやすかったが、ここでは通り一遍の解説だけで、ツンとすましているようだった。
維摩居士坐像(延暦寺蔵・重文)
No.37。財津一郎に似ている。しかもピースサインなんかしている。
慈恵大師自筆遺告(ゆいごう)(廬山寺蔵・国宝)
No.40。病床で、自身の死後のことを細かく書いた、つまり遺言。筆の乱れは瀕死の状態で書いたからか。苦しみながらも座して筆をとる老僧の姿を想像し感動に打ち震えたわけであるが、帰宅後調べてみたら本人はなんとこのあと13年も生きたのだとか。がっくし。
法華経(浅草寺蔵・国宝)
No.57。見返しや料紙に金が散らしてあって美しい。巻き軸も凝っていて、螺鈿で装飾されている(ただし、貝は欠落しているようだ)。
一字蓮台法華経(龍興寺蔵・国宝)
No.58。経文の一字一字が蓮台に乗っているというもの。若い女性(非常に少なかったが)からは「かわいぃ~」という声があがっていた。デザイン的にも秀逸で、蓮台には5色の色が塗ってあり、同色が斜めに配置されていた。また、経文の本文と呪文とで違う蓮台だったりする。
法華経一品経(慈光寺蔵・国宝)
No.64。巌王品(ごんのうぼん)が展示されている。これまた見返し絵・料紙ともに美しい。No.57がひたすら華麗なのに対し、こちらはさらに重厚さも加わっているようだ。さすが、三大装飾経のひとつに数えられるだけのことはある。こうやってお経を装飾することが功徳となり、それを積み重ねれば浄土に行けると信じられていたわけで、No.57・58もそうだが、そのためにここまで手の込んだものを造ってしまうという、信仰心のパワーを感じたのだった。
第4室に行くと仏像がうじゃうじゃおわします。
聖観音菩薩立像(延暦寺蔵・重文)
No.116。横川(よかわ)中堂の本尊で、チケットやチラシ、看板に使われている仏像。実にいい顔だし、体の曲線が美しい。相棒は、この展覧会の最大のヒットはこの観音を観られたことだと言っていた。
薬師如来坐像(善水寺蔵・重文)
No.112。これも呼び物のひとつの仏像で、寺の本尊。50年に一度だけ開帳される秘仏を拝めるとは。正面からだとちょっとずんぐりして見えるが、斜め45度くらいから見るときりっと引き締まって見えるのが不思議だ。背が反り返っていてやたらと目線が下向きなので、ひょっとしてと思い中腰になって下から見上げるように見てみたら、えらく堂々として見えた。かなり上方に安置することを想定して造ってあるのかもしれないと思った。善水寺には2年ちょっと前に行ったことがあるが、厨子がそんなに高いところにあったかどうか、思い出せない。
七仏薬師如来像(松虫寺蔵・重文)
No.113。中尊が座し、左右に3体ずつ立像が並んでいて、全員で右手を軽く挙げて「ハーイ」とやっている感じが愉快。
四天王立像(黒石寺蔵・重文)
No.129。平泉が栄えるよりずっと前の平安時代前期、田舎のはずの東北に、こんな仏像があったとはと驚いた。頭と体のバランスがちょっと崩れているのがユーモラスというか素朴というか。
4室を出て1室へ。
獅子吼(ししく)菩薩坐像(即成院蔵・重文)
No.99。口を開けて笑ってる仏像は珍しい。
六道絵(聖衆来迎寺蔵・国宝)
No.109。実に細かく描かれている。展示室のガラス面と作品との距離が遠く、肉眼では細かいところまで味わえない。単眼鏡必須だ。地獄の絵では、画面のいたるところで責め苦 が展開されており、人間の想像力の豊かさが感じられた。余談だが、これらの絵はベルギー中世の画家・ブリューゲルを連想させる。
「人道不浄相」の巻は人が死んでから朽ちていくまでのさま(九相)を描いていて、内臓が飛び散っていたりしてなかなかグロい。怖いもの見たさか、結構人だかりがしていて、みんな唸っていた。九相あるはずなのにどうしてこの絵は場面が8しかないんだろうと考えていたが、帰宅して「九相詩絵巻」の画集を見てみたら、生前の相が抜けているためだと気付いた。ちなみに、グロさでは九相詩絵巻の方が圧倒的に凌駕している。

上には挙げなかったが、蒔絵の経箱(No.79)や、横蔵寺の大日如来坐像(No.115)なんかも良かった。逆に上野寛永寺の本尊(No.114)はあまり感心しなかった。
図録を買い、11:30頃に平成館を出た。朝に比べれば混雑はしていたが、入場制限はなかった。土曜日の特別展としては空いている方だと言えるのではないか。
後期には、曼殊院の「黄不動」と一乗寺の「聖徳太子及び天台高僧像」の残り3幅が出るので、それを目当てにもう一度行くことに決めた。平常展はそのときゆっくり見ればいいということで今日はパスし、11:45に会場を後にした。池之端の伊豆栄で昼食を食べてから帰った。
伊豆栄のうな重
(東京国立博物館・2006年4月15日)

カレーミュージアムでハシゴカレー2006-04-20 23:54

本日は相棒が飲み会で不在。ひとりでカレーミュージアムに行った。4軒ハシゴした。


琉球カリー 沖縄角煮(ラフテー)カリー
お試しサイズを注文。食べてから気づいたのだが、これは以前食べたことのある「古酒カレー」ではないか。どうやら名前を変えたようだ(そういえば店の名前も違う)。知らないカレーを期待していたのでそういう点ではがっかりしたが、味はうまい。この爽快感はクセになる。
木多郎 チキンカリー
お試しサイズ。トマトベースというが、最初にココナツの風味を感じた。具の鶏肉が、ダシが出きってしまっているのか、美味しくなかった。スープもなんというか、平凡に感じた。もうちょっと辛い方が好みだ。ごはんがべちょべちょだったのが一番のマイナス点だが、これは屋台コーナーだったからかもしれない。
湘南カレー紅 湘南黒カレー豚トロ
豚トロのカレーはお試しサイズがなかったので、ノーマルを食べた。本日一番のヒットだった。
どろっとしていて濃厚なシチューのよう。まるでカレーじゃないみたいだけど、確かにカレーだ。マヨネーズで和えたレタスが乗っていたが、マイルドになりすぎるのでなくてもいいと思った(実際、先にレタスだけ食べてしまった)。豚トロはカレーに合うような合わないような。ルーが美味しかったので、もっとオーソドックスな具で食べてみたいと思った。
ハヌマーン マトンカリー
もう腹がキツかったが、最後にスパイシーなカレーでしめたくて入った。マトンの極辛をお試しで注文。ここは久々に入ったが、味はこんなだったっけ? という感想。なんだかぱっとしなかった。もう4軒目で感覚がマヒしていたのかも知れない。ごはんがインディカ米のようだったが、長細くなかった。

にしても、平日夕方のカレミューは相変わらず客が少ないなあ。

Happy Hacking Keyboard Professional 22006-04-21 00:48

欲しくてしかたなかった Happy Hacking Keyboard Professional 2 を買ってしまった。墨色の刻印付きモデル。


職場で、これまで同じシリーズの Lite 2 という廉価版の英語配列(PS/2接続)を使っていた。そんなわけで、もちろん Professional の存在は知っていたのだが、実物は見たこともなかった。web での評判を見るにつれ、一度触ってみたいなあと思っていたら、横浜のヨドバシに置いてあるのを発見。触ってみたらこれがまた感触が最高だった。
しかし Professional は PS/2 接続のモデルはなく、USB モデルだけだ。USBポートをひとつ占領されてしまうのはちょっとなあ、と踏ん切りがつかなかったのだが、3月に USB ハブ(しかも2.0)搭載の Professional 2 が新しく発売されたとあって、もう欲しくてたまらなくなった。

導入にあたっての最大の難関は矢印キーがないことだった。Professional では、Fnと右の小指のあたりのキーでカーソルを動かすのだ。矢印がないのはいくらなんでも不便だろう。Lite 2 でも同じ操作ができるので、矢印キーを使わないようにとりあえず練習してみた。
するとこれがなかなかいい。手をホームポジションから離さなくて済むので操作が速い。Fnを押す左の小指がちょっと窮屈な感じではあるがすぐに慣れてしまい、逆に、家のノートパソコンで矢印キーに手を伸ばすのが億劫になる始末。
これで導入に対する障壁はなくなった。で、ヨドバシのポイントがたまったのでとうとう買ったと言うわけだ。

で、家のノートパソコンにつないで早速使っているところ。かなり軽快な打鍵感。打ち疲れしにくそうだ。
Lite 2 とのキー配列の違いは矢印キーだけではなく、Spaceの左右のキー。左下にFnがない。そこでAltを入れ替え、左(つまり本来のAlt)をFnに変更。これらの設定はディップスイッチでできる。これで使い慣れた Lite 2 とほぼ同じ配列になった。で、その左下のFnが Lite 2 に比べて自然なポジションにあるので窮屈な感じがしない。ただし逆にShift+矢印という使い方をするときがキツい。これは日本語変換をしていて文節を伸ばしたりするときのキー操作。ちょっと苦労するかもしれないが、まあまた慣れるだろう。

ちなみに、SUSE10.0 では、キーボード本体・ハブともに、バッチリ認識されている。

神田の大糸桜と清春芸術村の桜2006-04-23 17:34

2週間前の甲州高尾山ハイキングに引き続き、山梨県に桜を楽しみに行った。今度は北西部で、最近の市町村合併で北杜市となったところ。


まずは小淵沢の、神田(しんでん)の大糸桜。ウチからは、小淵沢着は一番早くて8時ちょうど。長坂を過ぎると車窓からも大糸桜が見える。
大糸桜と八ケ岳
思った以上の人だかり。これは急がねば。駅から歩いて行く予定だったがいきなりタクシー利用に変更。

到着は8:20頃。タクシー料金は1,210円だった。周辺は交通規制がしかれていて、車両侵入禁止ゾーンの手前で車を降ろされた。といっても桜の近くで、すぐにたどりつける。そして大糸桜は思ったよりも広い畑の中に立っていた。
大糸桜と富士山 大糸桜と甲斐駒を並べて眺める 大糸桜と甲斐駒と水仙
まず目に入ったのは富士山で、桜と並んで見えたが、逆光で撮影には向かないようだ。あたりは、富士山だけでなく、八ケ岳、甲斐駒ケ岳、北岳、鳳凰三山などの名峰に囲まれるという山好きにはこたえられないロケーション。
いったん近づいて間近から枝を観察。包帯が痛々しい。満開だが、葉が出始めている枝も一部にはあった。
比較的近い場所から桜と甲斐駒を並べて眺めると、桜が山に向かって手をさしのべているようで面白かった。人がいなくなったら写真を撮ろうと構えていると、例によって、どこに行っても湧いて出てくる近○リの団体が登場。撮影は10分以上延期せざるをえなかった。
引き続いてカメラマンが大勢陣取っている水仙畑の奥へ。バックに甲斐駒・手前に水仙とロケーションは最高で、さらに桜じたいがちょうどこちらに向かって枝垂れているためひときわ美しい。ひとまわりしたが、結局この角度からが一番きれいだった。空が青ければ言うことはなかったのだが、この朝はずっと高曇りのままだった。

1時間以上もたっぷり楽しんでから、大糸桜を後に南へ。清春芸術村へ向かう。後ろを振り返ると大糸桜が八ケ岳と並んで見え、これまたいい眺めだ。
大糸桜と八ケ岳を振り返り見る
中央線の踏み切りを渡り、農道のような道を南へ。広い道路に突き当たり、左(東)に向かう。甲斐駒や鳳凰三山などの南アルプスや富士山をちらほらと眺めながら歩く。HOYAの工場があって、敷地内のソメイヨシノらしき桜が満開だったほか、道の周囲にも小さいながらも満開の桜がいくつかあった。

柿平の集落で右(南)へ。道が2本あるが、どちらからでも清春には行ける。なんとなく東側の道を選択した。新宿区の温泉施設「グリーンヒル八ケ岳」の周辺は桜並木になっていたが、ちょっと散り始めていた。この道を進んで正解だと思ったのは、甲斐駒がきれいに見えたときだった。小さな谷をはさんで西側の道が見えたが、あちらはその向こうに林があって甲斐駒の展望はなかったのではないか。畑と花と山という、里の春を満喫しながらのぶらぶら歩きは楽しかった。
里の春

清春芸術村に着いたのは10:15頃。大糸桜から30分ちょっとだった。
入館料900円をケチったのか、中に入らず塀の外から覗きこむようにして写真を撮っている人もかなりいたが、ここの良さは中に入らないとわからないだろう。ただし、ラ・リューシュの建物と桜とを合わせて見るには外からの方がいいかもしれない。
清春芸術村 空中茶室 裏手に回ると甲斐駒が
芸術村の敷地内は芝生(もちろんこの季節は枯れていたが)の広場で、彫刻やオブジェが点在しており、全体が展示場のようになっている。門のすぐ前に建つラ・リューシュの裏側に回ると、敷地を囲むように並んだ桜越しに鳳凰三山が見渡せて美しかった。
広場の最奥にあって目をひいたのが空中茶室「徹」だった。ムーミンの物語なんかに登場しそうな感じがする。桜に埋もれていると絵になるが、夏なんかはどうなんだろう。その桜は満開をちょっと過ぎてしまっていたようだ。が、風が吹くとはらはらと散る花びらがまた美しく、違う楽しみ方ができてよかった。

続いて美術館に入った。建物の設計は谷口吉生で、葛西の水族館や東博の法隆寺館でお馴染みの人だ。
入って左側が本館にあたるのだろうか。展示のほとんどがジョルジュ・ルオーで、さながらルオー美術館といったところだ。ルオーの絵は、見ているとなんだか厳かな気分になってしまう。宗教画ばかりなのだから当たり前といえば当たり前だが、無宗教を自認する自分は、他の画家の宗教画や日本の仏像なんかを見てもこれほど厳粛になることはまずない。なにかしら不思議なオーラが出ているのだ。ほとんど動揺に近い不思議な高揚感を味わった。
館内は、順路がらせん状に進み、会津若松のさざえ堂を思わせる。展示方法も、壁かけだけでなく階段にケースを置いたりなどしていて、おもしろかった。

右側の棟は、自然光が入って明るかった。
企画展示は梅原龍三郎。落書きみたいであまり好きではない画家だが、ここでは良かった。梅原というと富士山のどぎつい赤のイメージを持っているのだが、「浅間山噴煙」の淡い色使いは気に入った。「雉」は、撃たれたのだろうか、ぐったりと横たわっている雉の絵。通り過ぎようとしたが何かがひっかかる。しげしげと見ると、羽の部分に金色の絵具が使われていた。金は、どちらかというと絵の具ではなくマチエル的な使い方をするしかないと自分は思っていたのだが、これほど効果的に使われているのは素晴らしいと感じ。

芸術村で桜と絵を堪能してから、ごく近くにある超有名そば店のへと向かった。11時開店で、到着は11:10過ぎだったが、すでに待ちの人が大勢いた。これは覚悟していたことなので驚かない。まずは順番待ちリストに名前を書き、のんびり待つことにした。
順番が回ってきたのは11:40ごろだろうか。30分待たずにすんだ。メニューはざるそばと田舎そばの2品しかない。相棒とふたりで2種類のそばを1枚ずつとエビスビールを1本注文した。
翁のざるそば 翁の田舎そば
まずはざるそばが運ばれてきた。つゆは鰹節の風味が強く、繊細な香り。そばも美味い。のど越しもよく、つるつると一気喰い。
続いて田舎そば。太い。太いそばはボソボソになりがちだが、これはそうではない。ただ、太くて短いため、つるつる・ずーっ、というわけにはいかない。そばの香りはざるよりも強く、そのくせ、うどんのようなもちもち感がしておもしろい。普段は細めの都会派そばが好きな自分だが、この2種類では田舎の方が好みだ。2枚では少し足りない気がしたので、自分だけ田舎そばを追加注文した。
そばはどちらも美味かったが、ビールがその風味を消してしまうのがもったいなかった。日本酒が何種類かおいてあるので、もし次の機会があったら絶対日本酒にしようと思った。なお、店内は全席禁煙。

翁を出て、長坂駅まで歩いて帰った。道は斜面の中腹についていて、雄大な南アルプスを眺めながら歩けるのがいい。
駅までは、大深沢川の深い谷を下りきったあと再び登る。この登りが満腹の腹ごなしにちょうどよかった。翁からたっぷり40分くらいかかってようやく長坂駅に着いたのは12:40頃。長坂は電車の本数が少なく、日中は1時間に1本または2本。電車が来るまで40分くらい待たされたが、駅前に図書館があったので、のんびりと過ごせたのはよかった。
(2006年4月22日)

再び、最澄と天台の国宝2006-04-29 18:44

後期の展示に行ってきた。展示替えのあったものを中心に見た。
再び、最澄と天台の国宝展

正門に着いたのは9時ちょっと過ぎ。このときはまだ人が少なかったが徐々に増え、最終的には入場待ちの列は3つに折り返すほどになった。25分に開門した。
平成館に入るときにちょっと待たされたが大きな混乱はなかったようだ。


不動明王像(黄不動)(曼殊院蔵・国宝)
No.140。いきなり順路を外れて第1室へ。入口にどどーんと構えておわしますのが本日最大のお目当て、後期のみ展示の黄不動だ。みんな順路に従って第3室に向かうので、誰もいないうちに鑑賞することができた。
あまりにも有名な絵だが、実際に見るのは初めてだ。薄暗い中にぼうっと浮かび上がる黄色い腹とぎょろ目の迫力が凄まじい。体を描く線も太くて力強い。まさに鬼気迫るといった印象。前期では、個人が所蔵する別の黄不動が展示してあったが、こちらにはとうてい敵わない。そういえば、これに比べると前期のものはずいぶんと傷んでいたようだ。
入口にあるため、後ろのロビーの自然光がガラスに反射して見難い。少し斜めに陣取ると反射もなくすっきりと見られる。
聖徳太子及び天台高僧像(一乗寺蔵・国宝)
No.5。後期展示は善無畏、最澄、円仁。前2者は第3室を入ってすぐ右に展示してある。円仁だけは構成の都合か、少し奥にあった。いずれも明るい色調。最澄は図録の表紙にも使われているが、本物は、照明の関係もあるだろうがもっと赤くて華やかできれいだ。どうも明るいのは平安期の仏画の特徴らしい。
単眼鏡を使ってアップで見ると、まつげやひげも丹念に描かれているのがよくわかる。
刺納衣(延暦寺蔵・国宝)
No.34。最澄が唐から持ち帰った衣。隋の時代の高僧が着ていたとかで、国内で現存する一番古い衣服なんだとか。見たところはただのボロきれなわけだが、これを1500年前の人が着ていたのだと思うと何かしら不思議な気持ちになった。
聖観音菩薩立像(延暦寺蔵・重文)
No.116。今回は間を飛ばしたので仏像の部屋に早目に到着、ゆっくり鑑賞できた。
前期でも思ったが、ほんとうにいい仏像だ。体を少しくねらせているため、見る角度によって印象がずいぶんと違う。右前方に上半身をせり出している格好なので、像の左側45度くらいから見ると足を一歩前に踏み出そうとしているように見える。逆に像の右側(つまり踏み出している側)から見ると動きが止まり、堂々としているように感じる。正面からは、限りなく優しい印象。この違いが面白くて、自分にとってのベストアングルを探すために像の前を右往左往してしまった。

後期のみ展示のもの中心に見たので時間はさほどかからず、10:30頃には平成館を出た。そのあと、前回見なかった本館と法隆寺国宝館に寄ることにした。
本館では2006年の新指定の国宝・重文の展示があって、新国宝の琉球国王尚家関係資料(那覇市歴史博物館蔵)が目をひいた。沖縄には国宝がなかったから、これが初の国宝だ(戦前は首里城があったが戦争で焼けてしまった)。
また、1階の彫刻の文殊菩薩騎獅像および侍者立像もよかった。文殊の光背には迦陵頻迦(かりょうびんが)が舞っていて、侍者たちの衣服は切金がよく残っていて、なんとも優雅だ。

のんびり見ていたら11:30になったので、レストランが混雑する前に昼食をすませようと、東洋館隣のラコールへ。おなじみのハヤシライスにしようかと思ったが、結局相棒は魚料理、自分は肉料理のセットを注文した。肉は牛ほほ肉の煮込みで、コーヒーのソースが肉とよく合っていた思う。デザートのごまプリンがなかなかイケた。魚料理も見た目がなかなかゴージャス。バジルのパンも美味しかった。

続いて法隆寺館へ。いつもは閉まっている伎楽面の部屋が開いていた。目が空になっている面がずらりと並ぶ部屋はちょっと異様な感じもする。飛鳥時代の面がほとんどで、それらはすべて重文指定。デフォルメされてはいるが妙にリアルで、飛鳥・天平の頃の造型技術って凄かったんだなあと思う(興福寺なんかの乾漆像などを見ても同じことを思う)。中にひとつ鎌倉時代の鬼面があって、ほとんどデザインと言っていいほど激しく歪んだ顔が気に入った。

博物館を出たのは14時ちょっと前くらい。雨がぽつぽつと降り始めていたが、まだ傘をさすほどではない。それでもGW初日の上野は凄い混雑だった。
山手線に乗ったらとたんに土砂降りになった。帰るのがもう5分遅かったらアブナイところだった。
(東京国立博物館・2006年4月29日)