5.1chサラウンド放送のハイビジョン特集「世界自然遺産を行く」シリーズの第4弾は日本の屋久島。
いきなり雪のたくさん積もった映像に始まって、春・夏から秋へと、四季を通して見られた。(2時間のうち、秋は10分もなかったけど)。いくら標高が高いとはいえ、鹿児島より南にある島にあんなに雪が積もるというのは、知ってはいてもどうも違和感を覚える。有名な縄文杉も、冬は根元のほうが雪に埋もれていた。
日本アルプスや北海道などの東-北日本の山ばかり歩いているので、あまり馴染みのない花々も多くてたいへん興味深かった。
また、夏の終わりにつぼみをつけて冬を越し、8ヶ月後に咲くというヤクシマシャクナゲだとか、日本で一番多くアカウミガメが産卵にくるのは屋久島なんだとか、勉強になった(徳島あたりだと思ってた)。
5.1chのサラウンド感もなかなかよく、渓流を遠くから近くへと連続して映したシーンでは、音も遠くから近くへと移動する感覚があった。台風、とくに濁流なんかはかなりの迫力だった。試しにプロロジックIIで見てみたら、細かい風の音なんかが聞こえなくなってしまった。なるほど、ドキュメンタリー番組をサラウンドで放送するとこういう効果があるのか。
森田美由紀アナの声も聴き疲れのしないいい声だ。あまり声が低いとウチのヤマハTSS-15では音が割れてしまうのだが、一番低いぎりぎりのところにあるみたいだ。三國連太郎の語りも渋くて良かった。
屋久島は縦走してはみたいけど、遠いうえに雨が多いのがネックだ(梅雨時は日本の年間平均降水量の半分近くが1ヶ月で降る)。その気になるまでは録画したこの映像で楽しもうと思う。(NHK BS-hi/2004年12月9日放送)
この秋、「忠臣蔵」(TV朝日)と「最後の忠臣蔵」(NHK)でふたつの忠臣蔵もののドラマが放送されている。その双方で福本清三が出演していることに気がついた。
福本清三と聞いて、それ誰よ、と思うむきも多いと思う。いわゆる「斬られ役」の役者だ。
ウチは両親が時代劇が好きで、よく付き合いで見ていた。ある時、いつも同じ、眼つきの鋭い浪人があちこちの番組に出演していることに気づいた。「ほら、またあの人が出てるよ!」ということで、我が家ではいつしか『あの人』というコードネームで呼ばれるようになった。そして、ビデオデッキを購入した頃、エンドロールを巻き戻して見たりして、ついに福本清三という名にたどりついたのだった。
『あの人』はその風貌ゆえか浪人の役が多い。下っ端ですぐに斬られてしまうときもあるが、悪代官や山城屋(時には西海屋だったり越後屋だったりするのだが)の雇った用心棒の先生という設定が多かった。
台詞はほとんどなく、どんな声か思い出せない。用心棒であっても、一太刀であっさり斬られてしまうことが多い。地味なのだ。徹底して脇役なのだ。しかし、どういうわけか目に付いてしまう。不思議な存在感。
そんな地味な脇役の彼が、昨年の暮れ頃にちょっと話題になった。映画「ラスト サムライ」に出演し、テレビやら新聞やらにとりあげられたのだ。今回久しぶりに彼を見て、その頃の特集を思い出した。
ひっそり応援していた身として、たいへん嬉しく思った。劇場で映画を観るのは好きではないのだが、この話題につられて行ってみようかなという気にさせられた。トム・クルーズでも渡辺謙でもなく、福本清三を見に。でも結局行かずじまいで、そのまま忘れていたのだった。
さて今回のふたつの忠臣蔵における彼だが、まず、TV朝日の方は赤穂方だった。これからも登場することがあるかも知れないが、果たして47人に入るのだろうか。一方NHKでは吉良方で、第1回放送回ですぐに斬られてしまった。残念。ただ、ひょっとして別のシーンに別の役でちゃっかり登場したりして、と淡く期待している。ストーリーとともに、通行人なども目で追って見なければ。
とか思いつつ、録画しておいた「京都迷宮案内」を観ていたらなんと入院患者役で出演。現代劇は予想外だったのでびっくりした。しかも台詞がたくさんあったので、さらにびっくりした。そう言えばNHKで斬られたときも、台詞つきで大石内蔵助に斬りかかろうとしていた。台詞が多いのは、ハリウッド映画出演が影響しているのだろうか。
というわけで、この1週間で3度もの、台詞つきでの『あの人』の登場であった。だが、見終えた今、やはり声を思い出すことはできない。結局脇役なのだ。今までどおりひっそりと応援しつづけることにしよう。
買ってから設定の試行錯誤を繰り返してきたヤマハTSS-15で、いよいよ映画のDVDを見た。音楽番組はイマイチでもここで威力を発揮してくれるだろうか。音が響き渡るシーンのある映画で試そうということで、まず思いついたのが「ベン・ハー」。なぜか馬車競争のシーンを思い浮かべたのだ。しかし、やたらにガラガラとうるさいだけで、なんだかぱっとしない。きっと古い映画だからだろうと思い直し、今度は「チャーリーズ・エンジェルズ」にしてみた。やはり新しい録音の方が良かった。でも、カー・チェイスのシーンにしてみたが、思ったほど効果がないような気がした。
この程度なのかな・・・と思ったが、ふと、この機械はDTSに対応してるんだということを思い出した。手持ちのDVDでDTS音声が入っているのは少なく、4作品だけだった。そのひとつ、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のPart1を見てみた。
かなり音がいい。ドルビーとは段違いに、音がクリア。各スピーカの役割がはっきりしているようだ。柱で鳴るベルの音も右後ろから聞こえ、カメラ位置が切り替わると右前に移った。物語終盤、ヘリコプターが旋回するところでは、ヘリがちゃんと右前から右後ろに行き、頭の後ろを通過して、左後ろに抜けていった。そのあと、画面には映らないデロリアンが、自分のすぐ後ろを走り抜けていった。こりゃあ映画が数倍面白くなる。
ほかのDTSを聴いてみる。幸い音楽ソースがあった。大好きなバンド、レーナード・スキナードのライブ集"Freebird the Movie"だ。
凄い、圧倒的な臨場感だった。久々に聴いたこともあって、感動して体が震えた。これに比べるとBSデジタル放送なんかメじゃない。会場にいて、そのへんで一人一人が拍手したり、歓声をあげているようだ。Allenのギターが泣いている。BSデジタルのTOTOのライブと違ってギターもガンガン聴こえる(このバンドでギター聴こえなかったら詐欺みたいなものだが)。シンバルなんかが後ろから聞こえるが、このソフトの場合は、「ドラムスが後ろにいるよう」ではなく、「会場の壁に反響して後ろから聞こえる」かのようだ(野外ライブなのに)。フロントとのバランスが良かったのか、それともDTSの威力なのだろうか。
これで2chステレオをつけてフロントを増強すれば・・・と思ったら、DTSだから再生できなかった(泣)。このソフトの音声はDTS5.1chの他はリニアPCMだけなのだった。
このあと、DTSではないが、ザ・バンドの"Last Waltz"を観た。サザン・ロックに酔いしれた夜だった。
ちょっと前のYahoo Newsによれば。
新潟県中越地震による土砂災害で道路が寸断され、周囲から孤立した同県長岡市蓬平地区で26日、報道関係者6人が航空自衛隊のヘリコプターで救助された。県災害対策本部は「孤立地区に入り込んだ経緯は分からないが、自ら入り込み、帰りは救助ヘリというのであれば、救助活動の著しい妨げとなる」として、報道各社に抗議した。(時事通信) - 10月26日23時1分更新っつうことなんですけど・・・ まあ、「報道関係者」だから、TVとは限らないんですけどね・・・
私はネットを中心に情報を収集している。今回は2ちゃんねるがとても役立っている。なにぶん2ちゃんねるなもんで真偽は慎重に見極めなければいけない。しかしそれでも、明らかに、ボランティアで現地に行った人や被災者自身の書き込みと思えるものが数多くある。はてなの天漢日乗は、2ちゃんからこまめに情報を拾ってきて蓄積しており、ざっとチェックするのに便利なのでよく覗いている。帰宅してTVで1時間ニュースを見るのなら、ここと Yahoo News をチェックする方が情報量ははるかに多いし、巡回には1時間もかからない。
ごく控えめに言って、今回の震災に関しては、ネットでの情報の方がTVよりもはるかに多いと思う。
TVでは、避難所の映像や、避難所生活の苦労ばかりを放送している。もちろんそれは意義のあることだ。しかし、繰り返し繰り返し放送しなくていい。被災者の暮らし振りも気になるところではあるが、そこまでしつこく見せてくれなくていいと思うのだ。避難所の中を映しながら「プライバシーのない避難所では精神的疲労が・・・」って、余震に怯える顔やら寝顔やら、全国に晒してんのお前らだべ。見ているこっちが、まるで他人の家の中に入り込んでいるように感じてイヤな気分になり、思わずチャンネルを替えてしまう。もういいかげんにしてくれと言いたい。見ているこっちがそう思うんだから、見られている方はもっとイヤな思いをしているはずだ。
2ちゃんねるの書き込みによれば、どっかの民放では、友だちを亡くした小学生にインタビューして泣かせてしまったとか。亡くなった友だちのことを思い出させるようなことを聞いちまったんだそうだ。子ども相手なのに配慮が足りないっつうか、なんつうか・・・
にしても、いったいどういうつもりで放送したんだろう? そのテのインタビューって録画したものを放送するのが一般的だと思うのだが、だったら放送しないこともできる。いや、きっと生中継だったんだろう。まともな人間だったら、そんな残酷なシーンは放送できないはずだ。それを承知で放送するってのは厚顔無恥というか、鬼・・・
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