KATZLIN'S blog

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ホイッスラー展2015-02-18 19:40

ホイッスラー展

この展覧会の開催は知ってはいたけれど、特に観に行く気はなかった。しかし相棒が同僚に聞いたところでは、なかなかよいという話。しかも「これ、やらかしちゃったんじゃね?」と心配になるくらい空いているという。
じゃあ行ってみてもいいかな、と興味を持ったところで『ぶらぶら美術・博物館』で取り上げられた。たしかに、なかなか面白そうだ。


相棒と昼に横浜で落ち合って昼食にピザを食べ、のんびりと美術館へ向かった。着いた時は15時になんなんとしていた。
横浜美術館
美術館前はなんだか人混みが凄かったが、これはどうやら目の前の広場で開催中の車の展示イベントのせいらしい。美術館のエントランスはやはり空いていた。しかし会場に入ると、なかなかの混み具合。少なくとも「やらかしちゃった」というほどは空いていなかった。会期が進んで巻き返したのか、それとも『ぶら美』放送の効果か。

展示は大きく人物画・風景画・ジャポニスムに分かれていた。ぶら美ではホイッスラーの生涯を年代順に追う構成だったから、そのつもりでいるとちょっと違和感を覚えるかもしれない。また、ぶら美でまったく触れられなかった「ピーコック・ルーム」なる部屋があった。かなり大きなコーナーなのに、ぶら美が完全スルーだったのが不思議なくらいだ。自分はあんまし興味が湧かなかったのですっ飛ばしたけど。
人物画はピンと来なかったが、風景画には良いものが多かった。気に入ったのは、月並かもしれないが、ノクターンシリーズだ。ノクターンシリーズはジャポニスムコーナーに配されていた。水墨画の影響がどうとか言う説もあるようだが、そんな能書きは要らないと思う。ていうか、こんな真っ黒な水墨画ねえだろ、と思う。

常設展は、シュルレアリスムの部屋はいつもどおりだったが、前衛美術が良かった。
常設展 ホイッスラー展看板
絵ハガキを買って美術館を出た。すぐ近くのウミリアというイタリアンで夕食を楽しんでから帰った。
(横浜美術館・2015年1月24日観覧)

特別展 動物礼讃 大英博物館から双羊尊がやってきた!2015-02-26 23:35

青銅器好きの自分がこの展示に魅かれたのは、なんといっても大英博物館の双羊尊だ。この特異な形の青銅器は世界にたった2つしか伝わっていない。その一方がロンドンからやってきて、もう一方の根津美術館のシンボルとも言える双羊尊と対面するというのだ。もしかすると、この2つが並ぶなんて歴史上初の大事件かも知れない。ああもう、居ても立ってもいられない。


催しじたいは、未年だからとイギリスの羊を呼んで、さらに展覧会としてテーマを打ち出すために「動物」関連の作品を集めたと推測。
まあ、こんなマニアックな展覧会は人も少ないに違いないと、テキトーな時間に家を出たら青山に着いたのは昼過ぎ。とりあえず美術館に入り、庭にあるネズカフェでミートパイを食べて腹を落ち着かせてからの鑑賞となった。

会場に入ると、あまりの驚きに思わず声をあげてしまった。京都の泉屋博古館の世界的名品、虎卣こゆうが目に飛びこんできたのだ!!!!!!!
なにしろ双羊尊にしか興味がなく、展示リストをロクに見ていなかったので、まったく知らなかったのだ(実は、よくよく見たら、事前に入手していたチラシの左上にちゃんと虎卣が載っているのだが)。この虎卣も泉屋以外にはフランスにしかないという珍品である。ぱっと見、人が食べられているように思えるが、人を守っているのだという解釈する人もいる。
そして部屋をくるっと見てみると、極上の青銅器がわんさかと、あるわあるわ。泉屋が冬季閉館中とはいえ、よくもこれだけ出してくれたものだと狂喜乱舞である。

そして双羊尊である。2つが隣りあって並んでいる姿を勝手に想像していたのだが、それぞれ別のケースで斜交いに置かれていた。みんな行き来して見比べていた。
双方は似ているようでいて、口やら髭やら腹やら体の模様やら、意外なほど違いが多く、よくよく考えてみると似ているのは大きさと雰囲気だけ、と言った感じ。ロンドンの方が緑青が多いように見え、そのぶん根津よりも古ぼけているように感じられた。近年では、2つは制作年代が違うのではないかという研究もあるらしい。

ミミズクを象った泉屋の戈卣かゆうと、つまみのへんてこな猿が愉快な根津の黄瀬戸獅子香炉の絵ハガキを買った。大英博物館の双羊尊はクリアファイルはあったが絵ハガキがなかったのが残念。
(根津美術館・2015年1月31日観覧)