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山下清展-清が見た心の風景2005-05-08 23:44

本日は町田の東急百貨店で開催されている「山下清展」に行ってきた。
山下作品を見るのは初めてだったが、かなりよかった。タダだから、ということもあるかもしれない。入場料はひとり500円だが、東急のカード会員だと2名まで無料なのだ。

展示品は総数140点余りで、貼り絵に目覚めた10代頃のものと、ヨーロッパ旅行のものが多かったように思う。貼り絵だけでなく、ペン画や水彩画なんかも多かった。


貼り絵というと、色紙を切って貼るだけの塗り絵のような2次元的なものというイメージを持っていたが、そんなものは吹っ飛んだ。実際、紙の厚みで3次元的な奥行きがあるのだ。
また、ごま粒の半分くらいの大きさに切った色紙の細かい作業にも圧倒させられた。周囲の感想を漏らす声も「こまかいねえ~」というものが多かった。

独特のテクニックもある。たとえば「こより」。単に平べったい紙を貼るだけではなく、こよりにして貼ると立体感が生まれる。油絵で砂や貝殻の粉を混ぜたりすることがあるが、それと同じような効果がある。
こよりは木の枝なんかに多用されていたが、5本を並べて表現した木の幹なんかは、こより同士の境目がまるで木肌のように見えて面白かった。
他に自分が注目したのは「ロンドンのタワーブリッジ」の、タワーブリッジ上部の金網(?)だ。塔の本体とこよりの金網が重なった部分は、塔の手前に金網が浮き上がって見え、見事な3D効果でびっくりしたのだった。

さて、展示品は良かったのだが、普段バーゲンなどが行われる催事場ということもあって、会場の環境は劣悪だった。

  • 照明の位置が悪くて、とても見難かった。壁にかかった絵を見ることを考えていないのだ(催事場なので当然といえるが)。
  • 通路に絵をかけてあるという感じなので、ちょっと引いた場所から見ると、背中側の絵を見ている人とぶつかってしまう。
  • 休憩所がない。展示数からしても、腰を下ろす場所が途中に欲しいところだ。

まあ会場はしかたないとしても、残念だったのは絵はがきだった。
買おうと思って何枚か手にとっては見たものの、なにかおかしい。よぅく見ると、なんとトリミングされているではないか。印刷面に余白を作らないようにするため、上や下をカットしてしまったようだ。こりゃああんまりだ。なんてことしてくれたんだ。もう、これにはガッカリさせられた。
というわけで、絵はがきもカタログも買わずに会場をあとにしたのだった。
(東急まちだ店特設会場・2005年5月8日)

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