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事業仕分けで補助「廃止」、山小屋トイレ困った2010-07-10 13:01

表題は、7月9日配信のYahooニュースの読売新聞の記事
先月気になって書き留めておいたエントリー「環境省の山小屋トイレ設置補助が廃止ですとな」のその後の話題だ。曰く、

国立公園内などの山岳地帯で、山小屋の経営者らがトイレを設置する際、環境省が費用の一部を補助する制度が論議を呼んでいる。
省庁版の事業仕分けで、「廃止」と判断されたものの、登山関係者や自治体から「環境保護のために必要」と反発が出ているためだ。同省は12日に有識者らの検討会を開き、今後の方策を考える。(中略)
先月18日には、日本山岳会メンバーや山小屋経営者らが、同省に事業継続を求める要望書を提出した。
山梨県も幹部が同省に出向いて継続を訴えた。(中略)
こうした声を受け、同省は、12日からの検討会で、山岳トイレの整備や補助のあり方を再検討し、来年度の概算要求方針に反映させる考え。

自分は前回のエントリーで、廃止とされても実際には継続する事業もあるようだ、とは書いてはみたのだが、まさかホントにそうなるとは思ってもみなかった。だって、山奥のトイレだから。さすがにこれは、山なんか登らない大多数の人の理解は得られないだろうなあと思っていたのだ。

それが、なんですか、登山関係者や自治体が反発したら、再検討してくれるんですか。1ヶ月で方針転換とは見事っすね。はやぶさ後継機の仕分けとかと同じ方向なんですかね。
民主党政権になってから、陳情の類は民主党幹事長室に窓口が一本化され、各省庁では受け付けなくなったはず。小沢一郎の失脚でそのタガがゆるんだということなのだろうか。要望を申し入れたのが山岳会だってことだけど、もしこれが山岳ガイド協会だったりしたら、会長が自民党のあの人なもんだから、拒否されちゃったりして。

にしても、やっぱり仕分け会議をするにも費用は掛かるんだろうなあ。「有識者」への報酬とか。で、今後の方策を考えるのにまた「有識者」の検討会を開く、と。誰が仕切ったり仕込んだりしてるのかよくわかりませんが、なんだかもう、ね。
まあ今の政府はやることなすこと一事が万事こんな調子だから、今さら驚くことではないのですが。

なんにせよ、論議を呼びおこした登山関係者や自治体の方々は、グッジョブでした。トイレの補助なんかが廃止されたら、次は登山道整備とか、調子こいてどんどん仕分けされるようになるかもしれないところを、(一時的かもしれないが)食い止めたのは我々登山者にとっては朗報です。


で、最初は仕分け結果の速報しかなかった環境省のサイトにコメント全文が載っていたので、あらためて読んでみた。このページをよく見たら動画が配信されてるみたいだけど、ウチの環境じゃエラーが出て視聴できない。まあどうせタカビーな仕分け人のしゃべりにむかちゅくだけだろうから、この方が精神衛生上いいかもしれない。

で、全体を見るに経費削減のことしか考えていないわけだが、まあそれはそのための会議なわけだから当然なわけで。
前回のNHKウェブニュースを読んだとき気になった「本来は利用者が負担すべきで、税金を投入して国民全体で負担するのはおかしい」ていう意見は、ホントに載っていた。ただし、公共性の定義を明かにして、一般国民に理解していただく必要があるという意見も載っているので、バランスはとれていると言えるか。でも段落が分かれているからそれぞれ別人の意見なんだろう。少なくとも、仕分け人の中にひとりはぁゃιぃ人がいるに違いない。

なんだか訳のわからない意見も。民間の山小屋がトイレを整備して競争力を発揮したくなるような政策ってのは、いったいなんだ? 競争的仕組みの再構築ってどうするんだ? トイレで競争? 山奥に、いくつかの会社のトイレが並んでいて、登山者はいずれかを選んで用を足すというのか? 普通に街を歩いていても、そんなところ見たことないように思うんだけど、それを山の中でやれと? それともなにかもっと高邁なこと考えてるのか? 謎は深まってゆく。

結局、「議論のための議論」とか「パフォーマンス」という印象をますます深くした1件でした。

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