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国宝 興福寺仏頭展2013-12-08 21:19

仏頭展看板
タイトルからして仏頭推しのこの出開帳、実は東金堂の十二神将が揃って間近で拝めるというのも魅力的。いつもは東金堂で横一列に並んでいて、距離も遠いし薄暗いしでなかなかじっくりと見ることができない。


上野駅構内の美術展チケット売り場でチケットを買ってから芸大美術館に向かう。芸大美術館は2004年の興福寺国宝展以来だから9年ぶりだが、その時の印象がとても強くて、今でも館内のようすは結構記憶している。おそらく仏頭は3階の展示室におわしますに違いない。
到着は10時ちょい過ぎ。チケットを買い求める列を尻目にさっさと入場し、「順路は地下からでーす」という案内をものともせずにエレベータで3階に向かった。

3階の展示室にはすでに10人ほどの観覧客がいた。そしてそこは予想どおり、仏頭と十二神将だけのスペースとなっていた。いや、厳密には、仏頭の裏側に特別陳列の深大寺の釈迦如来があったが、そこはいかにも世界が違っていて、仲間外れの釈迦如来は居心地が悪そうだった。

銅造仏頭(国宝)
No.51。メインゲストの仏頭は正面奥に鎮座ましましていた。興福寺国宝館では目線ほどの高さにあったように記憶しているが、ここでは少し見上げるよう。そのせいか、なんだかちょっと素っ気ないような気がした。
十二神将立像(国宝)
No.52~63。仏頭に向かって左右に6体ずつ立っていた。6対6で向かい合っていたが、それぞれの列は横一列ではなく、ジグザグになっていた。
いろんな表情や仕草がおもしろい。頭の上の十二支を探して見ている人が多かった。真達羅しんだら大将の寅が虎に見えないと笑う人多数。相棒は、履物を比べるとおもしろいという。なるほど、アイーンしている招杜羅しょうとら大将は脛当ての模様が凝っていたり。剣で突き刺す伐折羅ばさら大将は一番激しい動きなのに草履だった。頞儞羅あにら大将なんかは UGG みたいな、今時の女の子が履いてそうなやつだった。
さんざんぐるぐるまわってから地下の展示室へ。
板彫十二神将(国宝)
No.39~50。それぞれの体の向きからして、本来はでかい本尊の台座に貼り付けられていたのではないかということで、今回はそれを再現する展示方法となっていた。台座を模した四角い箱が建てられ、その四面に3体ずつが展示されていた。
板彫りだからか、姿勢がユーモラスだ。摩虎羅まこら大将の格好は「いや~ん」しているということで相棒と意見が一致した。
あと、3階の十二神将と比べておもしろかったというか、ふうんと思ったのは、同じポーズを別人がしているということ。特に○○大将はこのポーズ、というのが決まっていないようなのだ。例えば立像で矢をすがめているのは宮毘羅くびらだが、板彫で同じポーズなのは頞儞羅あにらなのだ。

ほかにも扉絵とかもあったけど、なんといっても3階の濃密空間が良かった。満足、満足。
絵ハガキを4枚買ってから、ミュージアムカフェに移動。地ビールセット(曽爾高原ビールと、柿の奈良漬・きびなごのつまみセット)を飲んでから、相棒は大和豚のグリル、自分は大和鶏の照り焼き丼を食べて満腹になってから家に帰った。
(東京藝術大学大学美術館・2013年11月2日観覧)

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