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レオ・レオニ 絵本のしごと2013-07-15 11:28

東博は本館と平成館との連絡廊下に、他の展覧会のポスターが貼りまくられているのだが、4月に大神社展を見に行ったときにそこで何となく目についたのがこのレオ・レオニ展だった。『フレデリック』の栞型の割引券があった。すっとぼけた顔が何とも言えず、イイ。
小学校の国語の教科書でお馴染み、ということらしいのだが、自分はまったく知らない。単純に、絵そのものに興味を持ったので行くことにして、前売券を買っておいた。


どうせ空いてるだろ、と思っていたら、日曜の開館ちょっと後に行ったのに親子連れで結構な混雑だった、というブログ記事を見たので、とりあえず開館10分前に着くように出かけてみた。
朝から強烈に暑くて猛暑日確定の様相だった。駅からなるべく地下道を通って行くことにする。東急本店へは109横の出口が一番近い。地上に出ると、道の向きと太陽の差し込む向きが完璧にシンクロしていて灼熱地獄だった。
道を歩いていて渋谷にしては親子連れが多いなと気になったが、やはりみんなライバルで、Bunkamura へと吸い込まれていく。ざっと数えてみると、我々はだいたい60~70番目くらい。Bunkamura は開館前の行列ができても屋根の下に入れるので安心だ。

小さい子も多くて、さだめし中は阿鼻叫喚の・・・と思ったら、美術館的な雰囲気を察知したのか、小声で話している子供ばかりで、無闇に走り回ったり、泣き喚くような子はいなかった。逆に、美術館的な場所に慣れていない大人の方に声高に話す人がいてうるさいくらい。
作品の展示位置が普通の美術展と同じだったので、子供にはちょっと高すぎると思ったが、手の届くところだとガンガン触られてしまうだろうし、よほど小さい子は抱っこしてあげればいいのだろう。

作品は、彫刻なんかもあったが、ほとんどが絵本の原画。原画はインクとかで塗られてるものと勝手に想像していたが、意外なことに、水彩や貼り絵が多く、色鉛筆や油彩もあったりして、実にバラエティに富んでいた。
みどりのしっぽのねずみは油彩で、仮面を焼くラストシーンでは、焚き火の前のねずみの顔が、火に当たっているようにほんのりとベージュのグラデーションが施してあり、絵本とはいえ中々こまかいなあと感心した。

シオドアとものいうきのこは、きのこで埋め尽くされたシーンがよかった。「Quirp」の吹き出し(このフォントがまたなかなかイイ)のついた一面の青いきのこがポップでおもしろかった。この「Quirp」の意味というか語感が自分にはわからなかったのがちょっと残念だった。訳絵本でも「クイルプ」とそのままになっているようだ。

教科書で有名だというスイミーは、原画はなかったが、なかなか楽しい仕掛けがされていた。一番奥の一角の壁に、小さな魚をたくさん映す映像コーナーになっていたのだ。アクアリウム同様ゆらゆら泳いでいるのを見ているだけでも飽きないのだが、その魚に近づくと魚たちが逃げ出すという仕掛けになっている。それが時折、ちゃんとみんなで大魚の形になったりする。もちろんスイミーはちゃんと目の役をしていた。
親子連れは最初から律儀に順序よく見ているので、開館してもしばらくはこのコーナーまで到達していない。魚を追いかけたりして遊んでみたら、案の定楽しかった。

30分くらいで一通り見終えてショップコーナーに行ってみると、レジの前に行列整理のガイドテープが張り巡らされていた。銀行のATMコーナーにあるようなやつだ。どうやら混雑時には活躍するようだが、幸いまだ行列はできていなかった。絵ハガキ7枚と、フレデリックの携帯ストラップと、(随分早いけど)来年のカレンダーを買った。
最後にもう一周しようとスタート地点に戻ると、人だかりが凄かった。もうじっくり観るのは難しいような状態。まだ10:45だ。スイミー映像コーナーには子供がたくさんいた。みんな遊び方を知らないらしく、大人しく座って眺めていた。親が手本を見せてやらないとだめなのかもしれない。

会場を出ると、入口には相当な列が出来ていた。Bunkamura でここまで凄いのは初めて見た(が、それは自分が印象派展みたいなのに来たことがないからかもしれない)。行列は、子供やベビーカーで雑然とした感じだった。
展覧会の半券提示でスパークリングワイン(又はオレンジジュース)のサービスがある本館8階のレストラン「タント・タント」で食事をしたあと(ここのパスタは絶品だ)、半券提示でイタリアワインが10%割引になる地下のワイン売り場でワインを買い込んでから、帰宅の途についた。田園都市線から見た多摩川のBBQ広場は猛烈な人出で凄まじいことになっていた。朝から暑い一日だったが、結局東京は34.6℃止まりだった。
(Bunkamura ザ・ミュージアム・2013年7月14日観覧)

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