ケーキを半分だけ食べるのが好きだった。残った半分をまた半分だけ食べる。その残りの半分をまた半分だけ、そのまた残りを・・・こうするとケーキは半分ずつ、いつまでも食べられるのだ!!
子供の頃、そんな空想に耽るのが好きだったが、もちろんそれは不可能で、現実には小さくなってしまったケーキをいつかはバクっといってしまう。この本で無限について語るとき、同じ例があるところに親近感を覚えて読んでみたのだった。
今まで漠然と考えてきた「無限」が、対角線論法などによって論理的に説明されるのが気持ちよい。読み進むとどうやら私は「可能無限」の立場であったことがわかった。タジマ先生と同じく少数派だったのか。なんだか複雑な気分だ。
円周率の英語での記憶法など、トリビア的読み物としても気楽に楽しめる。それというのも、通常の哲学書と違って物語形式になっているからだろう。こんなふうに気楽に読み進んでいくと、文中で「ぼく」が感想を漏らしているように、哲学っていうのは、ひどく能天気なものなのかもしれない
と思うのだ。
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