「標準語」はどのような経緯で生まれたのか、ということの考察。
標準語というと「東京のことば」だとずっと考えてきたが、どうやらそうとも言いきれないらしい。筆者は巻末で、標準語とは、東京語にきわめて近いが、東京語ではない
と断言している。そういや、そもそもの東京のことばってどんなことばだ?
本文中では幕末頃からの江戸・東京のことばの変遷が語られている。
全国で通用することばを持たなかった日本は、明治になってその必要に迫られ、官の主導のもとに東京のことばを使うことになった。本来の東京(江戸)で使われていた言葉は下町のべらんめえな言葉だったが、採用されたのは山手のことばだった。これは、参勤交代の関係で各地の武士どうしが互いの意志疎通のために使っていたことばでもあり、当時の士族には通用していたもののようだ。
しかし各地の武士が使っていたということもあって、必ずしも純粋な江戸のことばではなく、さまざまなお国言葉が混じってできあがったものらしい。さらに戊辰戦争の江戸開城や関東大震災などで古くからの江戸住民が少なくなり、ますますいろんな要素が混在することばになっていったようだ。
そのひとつの例として挙げられていて興味深かったのが、「見れる」「着れる」のいわゆる「ラ抜き言葉」だ。明治・大正時代には東京ではまったく使われていなかったのに、関東大震災後に突如山手で使われるようになったのだという。しかも、これ、もとは我が地元の神奈川方言ではないかというからびっくりだった。自分は意識して使わないようにしているのだが、そういや親はどうだったっけ。
そんなこんなでまとまってきた標準語の全国への普及はラジオによるものが大きい。それまでは、地方の学校で標準語の教育をしようとしても先生がしゃべれなかったりでたいへんな苦労があったという。そして戦時の全体主義で決定的に広がっていったのだ。
筆者はこういうことばの押しつけを嘆いている。ただ、今の標準語を否定しているのかというと、そういうわけではない。肯定・否定どちらの立場でもないようだ。
この本を読んでいちばん感心したのは、標準語はひとつだけである必要はない、という考えだった。そんなこと今まで思いもよらなかったので、軽いカルチャーショックを感じた。
(水原明人著、1994年)(2006年5月31日読了)チャンピオンズ・リーグが終わってようやく頭をワールドカップ・モードに切替えられた。情報収集を開始すると、4年前に楽しみにして見ていた「えのきどいちろうのワールドカップ・ジャーナル」が一日限りで復活していたりとか(うう、見たかった)、世間はひとあし早くモードに入っていたようだった。
こんなに早くからワールドカップで盛り上がってるのって、日本とドイツだけなんじゃないだろうかと思ったりした。
今大会はなんとスカパーでは生放送がないという。衛星での生放送の権利は NHK がとったらしい。前回大会の経緯もあるし、すっかりスカパーががやるもんだとばっかり思ってた。つうかスカパー、それで KAT-TUN にあんな CM やらしちゃっていいのかね。公取委に注意されたりしないだろうか。
デジタル放送の機能のひとつにデータ放送がある。NHK が出場各国の能力を独自に採点したものがデータ放送画面に出ているというので見てみた。テレビ画面の表示はダイヤモンド型のグラフなのだが、よくよく見るとどうやら5点満点になっているようだ。で、試しにこれを数値化してみた。
5点満点で5項目だから、合計の最高点は25点だ。これが20点以上のチームと、おのおのの項目で5点(最高点)と2点(最低点)のセルに色づけをしてみた。なんだかおもしろい。
グループ | 国名 | 攻撃力 | スピード | スタミナ | テクニック | 守備力 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
A | ドイツ | 5 | 3 | 4 | 3 | 3 | 18 |
コスタリカ | 3 | 3 | 3 | 4 | 3 | 16 | |
ポーランド | 3 | 4 | 4 | 3 | 3 | 17 | |
エクアドル | 2 | 3 | 3 | 3 | 3 | 14 | |
B | イングランド | 5 | 4 | 4 | 5 | 4 | 22 |
パラグアイ | 3 | 4 | 3 | 4 | 4 | 18 | |
トリニダード・トバゴ | 2 | 2 | 3 | 3 | 2 | 12 | |
スウェーデン | 4 | 4 | 4 | 4 | 5 | 21 | |
C | アルゼンチン | 5 | 4 | 4 | 5 | 4 | 22 |
コートジボアール | 4 | 5 | 4 | 4 | 3 | 20 | |
セルビア・モンテネグロ | 3 | 3 | 4 | 4 | 5 | 19 | |
オランダ | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 20 | |
D | メキシコ | 3 | 3 | 5 | 4 | 4 | 19 |
イラン | 3 | 4 | 3 | 4 | 3 | 17 | |
アンゴラ | 2 | 3 | 3 | 3 | 3 | 14 | |
ポルトガル | 5 | 3 | 3 | 5 | 4 | 20 | |
グループ | 国名 | 攻撃力 | スピード | スタミナ | テクニック | 守備力 | 合計 |
E | イタリア | 5 | 3 | 4 | 5 | 4 | 21 |
ガーナ | 3 | 4 | 5 | 3 | 2 | 17 | |
アメリカ | 4 | 4 | 5 | 3 | 4 | 20 | |
チェコ | 4 | 3 | 4 | 4 | 4 | 19 | |
F | ブラジル | 5 | 5 | 3 | 5 | 4 | 22 |
クロアチア | 3 | 3 | 4 | 4 | 4 | 18 | |
オーストラリア | 3 | 3 | 4 | 3 | 3 | 16 | |
日本 | 3 | 3 | 4 | 4 | 3 | 17 | |
G | フランス | 4 | 4 | 3 | 5 | 5 | 21 |
スイス | 3 | 4 | 4 | 3 | 4 | 18 | |
韓国 | 3 | 4 | 5 | 3 | 3 | 18 | |
トーゴ | 2 | 3 | 3 | 2 | 2 | 12 | |
H | スペイン | 5 | 4 | 3 | 5 | 4 | 21 |
ウクライナ | 3 | 4 | 4 | 3 | 4 | 18 | |
チュニジア | 3 | 4 | 4 | 3 | 3 | 17 | |
サウジアラビア | 2 | 3 | 3 | 3 | 3 | 14 | |
グループ | 国名 | 攻撃力 | スピード | スタミナ | テクニック | 守備力 | 合計 |
評価がもっとも高いのはイングランド、アルゼンチン、ブラジルで22点。まあ妥当なところだろうか。もっとも点数が低いのはトリニダード・トバゴとトーゴの12点。トリニダード・トバゴってそんなに弱いのか。懐かしいドワイト・ヨークが代表にいるらしいが、さすがにもうトシか。
C 組には20点以上のチームが3つ入っているうえ、残るひとつのセルビア・モンテネグロも19点と評価が高く、ここがいわゆる死のグループということになろうか。でも日韓大会のときのアルゼンチン、スウェーデン、ナイジェリア、イングランドという組合せに比べると大したことない。
セルビア・モンテネグロの守備力に満点がついているところからして、おそらくこれらの評価は地域予選の結果が元になっているのではないかという気がする。しかし、94年大会にギリシャが出場したとき、やはり予選で失点が少なかったために、サッカー雑誌などでは守備の評価が高かったが、本大会でぼろぼろに蹴散らされたという記憶がある(マラドーナのドーピング発覚時の相手なので妙に覚えている)。予選での相手に恵まれるということもあるし、それ以来、守備では特に、予選の結果はあてにならないと思っている。
攻撃は自分の評価とはずいぶん食い違っている。
ドイツの攻撃力が5点満点なのが謎だ。あと、ポルトガルも自分なら4点にする。予選ではバカスカ点取ったけど、パウレッタはじめポルトガルの攻撃陣はどうもユーロ2004でハズしまくったときのイメージが強い。あの大会は、控え選手が点を取ってなんとか勝った、というような印象があるのだ(自国開催だったのに)。
これらのチームが5点なら、オランダ、スウェーデンやチェコも5点でいいじゃないかと思う。また、ウクライナが日本と同じ3点てのはあんまりだと思う。シェフチェンコが怪我から復活できないという読みからだろうか。
実は自分は日本チームにはほとんど興味がないのだが、韓国より総点数が低いのは納得しかねる。と思ったらポイントの差はスタミナだったのね。じゃあしょうがないか・・・
というわけで、自分は今大会はチェコを応援して、ブラジルを楽しむつもりであります。スウェーデンも攻守のバランスが良いし、イングランドも久々に面白そうなメンバーでよい。
ようやく、ワールドカップのあのワクワク感が戻ってきた。
ついにワールドカップが始まったのですが、困っていることがあります。
それは、二ヵ国語放送がされていないこと。自分は海外スポーツを見るときはいつも副音声の実況を聴いているからだ。
なんでわざわざ副音声にするのかというと、日本のアナウンサーはやたらと絶叫するので耳につくから。NHK でも結構うるさく思うし、民放なんて聴けたもんじゃない。叫ぶとかん高くなるのは日本語の特性なのかもしれない。
そんなわけで、英語が大してわかるわけでもないけど副音声で聴くし、たとえ英語でなくても(さっぱりわからないイタリア語だったりしても)副音声にしちゃう。
ところが、今回の NHK の放送は 5.1ch サラウンド。日本語で聴くしかない。WOWOW が放送した EURO2004 は二ヵ国語放送(さらにトーナメントからは二ヵ国語ステレオ)だった。
しかしさすがサラウンド、スタジアムの歓声はかなりの迫力で、これはなかなかいい。さっきのイングランド戦の God Save the Queen は感動モノだった。普通に日本語で聴いていたが、センタースピーカの音を最小に下げることで実況音声が歓声に埋もれて聞こえにくくなった。こりゃあいい。
けれど次のトリニダード・トバゴ-スウェーデンは BS1 で普通のステレオ放送。そしてここに強敵出現。それは解説の木村和司だ。
自分は木村和司の解説がダメだ。内容がどうとかじゃなくて、あの「ん~~~」が五月蝿い。もう生理的にダメ。シュートすると「ん~~~」、タックルで敵を止めても「ん~~~」、ディフェンスがボールクリアで「ん~~~」。
波状攻撃になると徐々に「ん~~~」がでかくなる。センタリングで「ん~~~」、1発目のシュートで「ん~~~!」、2発目で「ん~~~!!」
しかたないので、ただいま音声だけはスカパーのデータ放送にして見ております(ちょっとずれてるけど)。
ところで、全試合録画して、シュートなどの好シーンだけに編集して保存しようかと思っとるわけですが、それだと音声がステレオになってしまうわけで、すると「ん~~~」が保存されてしまうわけで。録画はスカパーの放送にしようかと考えているしだい。しかしスカパーは110じゃないノーマルのやつ。よって画面が 4:3 になってしまう(ウチのデジタルチューナーは古いタイプなのでスカパー110が受信できないのだ)。
ちなみに、同様に生理的にダメな解説者に金子達仁がいる。この人の「ぅおい」はもっとダメかな。あー背中かゆくなってきた。
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(追記)
件のTRI-SWE を 5.1ch 放送で観たところ、センタースピーカの音量を下げても木村氏の「ん~~~」はなぜかくっきりと聞こえた。たぶん自分が気にしすぎなのだろうと思うが、あんまりにもあんまりなのでセンタースピーカのプラグをアンプから引っこ抜いた。
すると今度はまるで地鳴りのような「ん~~~」が聞こえてきた。音声がウーファにも割り振られているためだが、それにしてもこれは強烈に気持ち悪かった。しかたなくウーファも引っこ抜いたら音声がきれいにとれ、スタジアムの中にいるようになった。
それでも録画はステレオ音声になってしまうため、保存用DVDには「ん~~~」が残ってしまう。しかも好シーンだけを残すので、「ん~~~」のオンパレードだ。なんとかなんねえかな。