「まえがき」を見たかぎりでは入門書のようだったので買ってみた。
自分は西洋哲学が大の苦手。中国史専攻なのでマルクスやヘーゲルなら少しなじみがあるのだが、そのほか、特に古代ギリシャあたりがぜんぜんいけない(自慢じゃないがソクラテスとアリストテレスの違いがわからない)。本書の範囲は古代から中世までで、秋には現代までの続編が出て完結するのだそうだ。通史的に学べそうだし、なにより最弱点のギリシャ哲学の説明があるのがよいと思ったのだ。
と、勢いこんで読みはじめたのだが、何が書いてあるのかさっぱりわからなかった。この本は西洋思想をある程度勉強した人でないとむずかしいのではないだろうか。私のようなずぶの素人にとってはレベルが高すぎる書物のようだ。
たとえば、その時代の話をしているのかと思って読んでいると、突然後代の人物名が出てきて「このように後の思想にも影響を与えている」という例が挙げられたりする。この場合、名前を挙げられたその人物がどういう人なのかを知らないと意味がわからないのだ。そんなことの繰り返しで読解に苦しんだ。
結局、わかった(ような気がした)ことと言えば、哲学と論理学は源が同じだった(ように思える)、ということくらい。ソクラテスとアリストテレスの違いはまだわからないままだ。久々に、まったく歯が立たない本だった(トホホ・・・)。でも、たぶん懲りずに後編も読むと思う。
(熊野純彦著、2006年)(2006年7月11日読了)相棒が新聞記事で見つけた展覧会。骨だけの展覧会って珍しいのではないだろうか。
小学校低学年の頃だろうか、あれほど首の長いキリンも人間も、首の骨は同じ数で7つだということを本を読んで知ったとき衝撃を受けた。自分が動物のからだに興味を持った最初の体験だった。
以来、人体解剖図(美術用です)や動物の骨格のイラストなどを見るのが楽しい。この骨は人間でいうと踵にあたるんだ、とか考えながら見てるとちっとも飽きない。というわけで、この展覧会はぜひ見たいと思っていたのだ。
京橋にあるINAXギャラリーを訪れたのは初めてだった。展覧会は、ショールームのある建物の中の小さなスペースで無料で開催されていた。どうして陶器メーカーが骨? と不思議だ。
では、以下に印象を。
帰りにブックレットを買った。普通の美術展などの図録にあたるだろう(市販されているようだ)。総じて楽しめたが、欲を言えばもうちょっと広いところでゆったりと見たかった。
信号を渡ってすぐのホテル西洋銀座のイタリアンでランチを食べてから家路についた。東京駅からJRで帰ろうと歩きだしたところ、雨が降ってきたのですぐ近くの地下鉄京橋駅へ。地下鉄に乗ると、JRは落雷でストップしているという放送が入った。ラッキーだった。
(INAXギャラリー・2006年7月15日)
戊辰戦争での会津の女性たちの行動を、自決・籠城・逃避という3つの傾向に大別し、叙述した本。
書店でなんとなく手にとってぱらぱらめくってみたところ、読みやすそうな文章だったのと、若松城の縄張図が目に付いたので(自分は城郭ファンなので)思わず買ってしまった。
会津での戦いというと白虎隊が自刃した戦争、という程度の貧弱なイメージしかなかった。だが、この本を読んでみてそれ以外(籠城戦など)の激しさも知った。本書の「はじめに」によると、女性が戦闘に加わったのは、日本の戦争史でも、そう多くはない
のだそうだ。
ただ、読み進むにつれ、会津方に感情移入したような記述が気になってきた。歴史家なら公平であるべきだと思ったのだが、会津人の残した体験記を基本資料にしているようなので、これはある程度はしかたないのかもしれない(そういや薩長方から見た資料がないな)。また、他にも悲しい光景だった
とか、鬼気迫る光景だった
といったような感情的な表現が目について、なんだか歴史書じゃないみたいだ。
買う前にも裏表紙の著者紹介をチェックはしたのだが、卒業学科(史学科)と著書が羅列してあるだけで経歴が載っていない。どっかの大学の元先生かな、と勝手に思っていたが、読み終えてよくよく奥付を見るとオフィシャルサイトのアドレスが。あんまりセンセイらしくないなあ、と思ってアクセスしてプロフィールを拝見してみたら、なんと歴史家じゃなくて作家さんだったのですか。道理で・・・
というわけで、会津女性の手記がおもな内容の本だった。年表のようなものがあれば全体の流れをもっと理解しやすかったのではないかと思った。
(星亮一著、2006年)(2006年7月20日読了)いつの頃だったか、愛用ブラウザ Opera のカスタマイズ情報を検索していて、ブックマークレットの存在を知った。いろいろ漁って、結局今では次の2つを常用している。(リンクをクリックすると効果がわかります)
いずれも Opera のツールバーに置いて使っている。
ところでブックマークレットはIEでは使えないもんだと思い込んでいたが、ひょんなことから使えることがわかった。そこで、句点で改行して文章を読みやすくするやつを、使い方とともに Home に掲載 するとともに、山行と旅行のページにスクリプトを置いてみた。自分はセンテンスが短いので、句点で改行するとまるで詩のように見えてしまい、あまりにも自分らしくないのでちょっとこそばゆい。
スクリプトを見て勘で分かると思うが、これは「。」を「。+ 改行」に替えるというモノ。つまり文章を変換できるのである。というわけで、
JavaScript:document.body.innerHTML=document.body.innerHTML.replace(/る。/g,'るのであります。');focus();
なんてえので遊んでみる。る。る。る。
ところで、IEの場合はちょっと問題がある。タグの中の改行コード(<br />)も解釈しちゃうので、たとえば画像へのリンクに「title="プラド美術館展。"」みたいに句点を使っていたりすると、タグの途中でほんとに改行しちゃって画像が表示されなくなってしまう。Firefox や Opera は平気なんだけど。
↓実験用。