「まえがき」を見たかぎりでは入門書のようだったので買ってみた。
自分は西洋哲学が大の苦手。中国史専攻なのでマルクスやヘーゲルなら少しなじみがあるのだが、そのほか、特に古代ギリシャあたりがぜんぜんいけない(自慢じゃないがソクラテスとアリストテレスの違いがわからない)。本書の範囲は古代から中世までで、秋には現代までの続編が出て完結するのだそうだ。通史的に学べそうだし、なにより最弱点のギリシャ哲学の説明があるのがよいと思ったのだ。
と、勢いこんで読みはじめたのだが、何が書いてあるのかさっぱりわからなかった。この本は西洋思想をある程度勉強した人でないとむずかしいのではないだろうか。私のようなずぶの素人にとってはレベルが高すぎる書物のようだ。
たとえば、その時代の話をしているのかと思って読んでいると、突然後代の人物名が出てきて「このように後の思想にも影響を与えている」という例が挙げられたりする。この場合、名前を挙げられたその人物がどういう人なのかを知らないと意味がわからないのだ。そんなことの繰り返しで読解に苦しんだ。
結局、わかった(ような気がした)ことと言えば、哲学と論理学は源が同じだった(ように思える)、ということくらい。ソクラテスとアリストテレスの違いはまだわからないままだ。久々に、まったく歯が立たない本だった(トホホ・・・)。でも、たぶん懲りずに後編も読むと思う。
(熊野純彦著、2006年)(2006年7月11日読了)このエントリのトラックバックURL: http://katzlin.asablo.jp/blog/2006/07/12/6651948/tb