KATZLIN'S blog

Contents

小さな骨の動物園展2006-07-15 22:54

相棒が新聞記事で見つけた展覧会。骨だけの展覧会って珍しいのではないだろうか。

小学校低学年の頃だろうか、あれほど首の長いキリンも人間も、首の骨は同じ数で7つだということを本を読んで知ったとき衝撃を受けた。自分が動物のからだに興味を持った最初の体験だった。
以来、人体解剖図(美術用です)や動物の骨格のイラストなどを見るのが楽しい。この骨は人間でいうと踵にあたるんだ、とか考えながら見てるとちっとも飽きない。というわけで、この展覧会はぜひ見たいと思っていたのだ。


京橋にあるINAXギャラリーを訪れたのは初めてだった。展覧会は、ショールームのある建物の中の小さなスペースで無料で開催されていた。どうして陶器メーカーが骨? と不思議だ。
では、以下に印象を。

霊長目の顔
猿類総勢15匹の頭骨が並んでいる。いろんな表情がある。夜光性のヨザルなんてのはやっぱり目が大きい。
頚骨
やはり!! キリンもゾウもトラも首の骨は7つだった!! 幼い頃の記憶は間違っていなかった。が、なんとアリクイやナマケモノは数が違うんだとか。へぇへぇへぇ。
陰茎骨
今回初めて知ったのだが、多くの哺乳類のオスの生殖器には骨があるのだそうだ。受精を確実にするためにあるものと考えられているのだとか。もちろん、ヒトには、ない。自分のブツに骨が入っていることを想像してみると、うーん・・・こりゃ不便極まりないですな。
陰茎の骨と聞いて思い出したのは、村上春樹の「羊をめぐる冒険」だった。冒頭で、水族館に展示された鯨のペニスが出てくるのだ。小説を読んだときになんでそんなものが展示されてるのかピンとこなかったのだが、今わかった。陰茎骨だったのだ。そういえば、村上春樹の小説といえば、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」にも頭骨が出てくるんだっけ。
コウモリ
コウモリが鳥類ではなく哺乳類だということは誰でも知っていることだろう。しかし、だから骨の構成も我々ヒトとさして変わらないということにまで思い至る人はそう多くないはずだ。そう、あの翼は鳥の手羽と違って、なんと指先を広げたものだったのだ。ずうっと昔のコウモリの祖先が、空を飛びたくてしかたなくて、毎日まいにち手をぱたぱたやっていたら指の間に膜が出来て飛べるようになっちゃった、というストーリーを想像した。

帰りにブックレットを買った。普通の美術展などの図録にあたるだろう(市販されているようだ)。総じて楽しめたが、欲を言えばもうちょっと広いところでゆったりと見たかった。
信号を渡ってすぐのホテル西洋銀座のイタリアンでランチを食べてから家路についた。東京駅からJRで帰ろうと歩きだしたところ、雨が降ってきたのですぐ近くの地下鉄京橋駅へ。地下鉄に乗ると、JRは落雷でストップしているという放送が入った。ラッキーだった。
(INAXギャラリー・2006年7月15日)

コメント

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://katzlin.asablo.jp/blog/2006/07/15/6651954/tb