通勤電車の車内広告で見て興味を持った本。「じっぴコンパクト」という新書よりわずかに大きいサイズのシリーズだが、本屋では新書ではなく実用書のコーナーに置いてあったのでなかなか見つけ出せなかった。
題名からもわかるとおり、いわゆるトリビア本だ。自分は雑学を詰め込んだだけの本はあまり好きではないのだが、地理好きの心をくすぐられて我慢できず、そのことは納得のうえで買って読んだ。
内容は予想どおりの完璧なトリビア本で、それ以上でもそれ以下でもなかった。
Iの『「廃藩置県」から「四十七都道府県」の成立へ』とIIの「県境に秘められた歴史」が県の統廃合に関するウンチク、III「なぜそこに県境がある?」は、いっぷう変わった県境に関するウンチク、IVの「ニッポン縦断 県境をめぐる争い」は領土争いに関するウンチク、Vの「県境未定地の謎」は文字どおり県境未定地に関するウンチク、という章立て。
ただ、IとIIなんかはなぜ別の章なのか分からないし、いっぷう変わった県境は領土争いの結果生まれたものであったりするのでIIIとIVも同じ章でも不都合なさそう、という具合に区分がとてもむずかしい。だから読み進んでも全部同じような気がして、外国語の単語帳を読み進んでいるのと同じ気分になってしまうのだ。トリビア本のどこが嫌いかっていうと、そういうメリハリのない雑駁なところなわけだが、この本の場合は自分の中の地理好きの方が勝ってさらさらと読んでしまった。
せめて行政区分の通史みたいな章でもあればなあとか、統廃合年表みたいなのがあれば資料になるのになあとか不満はあるが、そんなことよりも、知らなかった面白話が結構あったので楽しく読めた。
(浅井健爾著・2007年)(2008年5月22日読了)このエントリのトラックバックURL: http://katzlin.asablo.jp/blog/2008/05/24/6654775/tb