なかなか公開しない神社のお宝がわんさか出るという噂の展覧会。国宝・重文160件という。が、出品リストを見ると、例によって「○○出土品」とかが多く、正直ビミョー。だが見たことのない国宝もいくつかあるので、一度は行っておいた方がよいだろう。
展示は前期・後期に分かれるが、リストから前期を選択。前期の雰囲気で、後期にも行くかどうか考えることにした。
開場時間ちょっと前に門前に着いたが、入場待ちの列は、列というほどのものでもなかった。まだ会期初めだからか、それとも内容が地味過ぎるのか。
9:30になり、ゆりの木の枝にとまったカワラヒワが鈴のような美しい声で鳴く広場を、平成館へ向けてしずしずと進んで行った。庭の芝で和んでいたツグミが、急に押し寄せた人たちに驚いて飛び去った。
地味に面白かったが、コレといった目玉がない感じは否めない。強いて言えば七支刀がそうなのかも知れないが、それにしてはPRが今ひとつ。『空前絶後の神道美術展』を謳うのならば、三井寺展の黄不動クラスのような、生きている間に一度お目にかかれるかどうかという超レアものが見てみたかった。たとえば吉野水分神社の玉依姫命坐像だとか。
後期でも見たいのは北野天神縁起と、青森の櫛引八幡の鎧くらい。どっちもその気になれば現地に行って見ることができるわけで、そう考えると自分にとってはもう一押し足りない気がして、後期は行かないことにした。
なわけで、11時前には平成館を出た。自分たちにしては早い。絵ハガキもなんだかピンとくるものがなくて買わなかった。カタログは見る気も起きなかった。でも、繰り返すが、地味に面白かった。
本館2階で新指定の国宝・重文展示を見てから、東洋館のレストランゆりの木でかつりんは雉子丼、相棒は伊勢うどんを食した。いずれも、神社展にちなんで伊勢の食材を使ったものだった。ついでに神都ビールという地ビールを飲んだ。
午後は、本館・新装なった東洋館・法隆寺館など、フルコースでじっくり見て回った。博物館を出たのは閉館近い16時半過ぎだった。年に何度かは訪れる東博だが、そこまで長時間いたのは記憶にはない。夕食に新宿ですっぽん料理を食べてから帰宅した。
(東京国立博物館・2013年4月20日観覧)
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