NHK日曜美術館で知った画家。明治時代に活躍した、最後の浮世絵師という。明治の洋風建築と浮世絵版画の融合がおもしろく、夜の表現がなかなか良さげ。で、練馬区立美術館で回顧展をやるというので、行ってみることにした。
予報は曇り時々雨。昼に家を出た頃はちょうど止み間だった。しかし池袋から西武線に乗ったあたりで降り始めた。沿線の桜はまだ散らずに残っていた。
中村橋駅に着いたのは13時過ぎで、ちょっと腹が減ってきた。美術館のホールに軽食コーナーがあるので、そこでサンドイッチを食べた。オムレツが具材になっていて一風変わったものだが、なかなか旨かった。
館内はさほど混んでいなかったが、それでも思ったよりは人がいた。もっとガラガラだと思っていた。
順路は2階から。展示は第1章が光線画、第2章が風刺画・戦争画、第3章が肉筆画・スケッチという構成で、うち第1章の版画は橋、街、夜、水、空、名所、火事、動植物、風俗というテーマに分類されていた。
また、予想外だったのだが、会期中に展示替えがあるという(このため出品リストはA3紙両面2枚の大作だった)。げげ、あと何回か来ないといけないのか? 公式サイトにもそんな記載はないので面喰らったが、注意深くリストを見ると、別の所蔵先の同じ作品に替えるパターンが多かったので(版画だから同じ作品があちこちにあるわけだ)、相当なマニアでもない限りは再訪しなくて済みそうで、ちょっとほっとした。
2周して1時間半くらいかかった。光線画では静かな画、肉筆は洒落た画といった感じで、いろいろな面も見られてなかなか面白かった。動物画はあまり感心しなかった。風刺画は世相が分からず、なんだかピンと来なかった。
第1章の版画を見ていて、明治の文明開化の雰囲気というか、古いものと新しいものが混在している東京の雰囲気に、ノスタルジーのようなものを感じた。新しいものとして、洋風建築やガス燈がよく描かれているが、ほかに意外なものに電柱があった。今なら多分、電柱や電線が入らないような構図にするんだろうが、清親の画では誇らしげに登場している。
絵ハガキを買おうか図録を買おうかさんざん迷ったが、図録を選択した。これなら見られなかった作品も楽しめるし。
それにしても、美術館の開館30周年記念が小林清親展とは、シブすぎる。今後も、国立や企業系の美術館ではやらないような、シブくてグッとくる企画を期待している次第であります。
(練馬区立美術館・2015年4月5日観覧)
秋田県大仙市にある水神社の線刻千手観音等鏡像は県内唯一の国宝で、年に1度だけ、8月17日の祭礼の日に公開される。そのレアな国宝が、宮城県多賀城市にある東北歴史博物館の展覧会に出品されるという。これは大チャンス。
ただ、展覧会だけだと時間を持て余してしまうだろう。どっか他にいいとこないかな、と別冊太陽「みちのくの仏像」を眺めると、同じ宮城県の角田市にある高蔵寺阿弥陀堂(重文)が目についた。なになに、東北三大阿弥陀堂とされ、東北地方に3つだけ残る平安時代の建物のひとつとな(他は中尊寺金色堂と白水阿弥陀堂でいずれも国宝)。堂内の阿弥陀像(重文)もなかなか良さそげ。よし、行ってみよう。
高蔵寺の内部拝観は事前予約が必要とのことなので、前日に電話して10時にお願いした。博物館はそのあとのんびり行くことにした。折角だから1泊して他も見ようと思ったが、翌日が雨でしかも寒いという予報だったので、結局日帰りすることにした。
早朝の新幹線に乗り、白石蔵王で下車、タクシーで高蔵寺に向かうが、9時半に着いてしまった。駅から20分弱で3,000円でおつりがきた。それにしても、いくらなんでも早過ぎる。寺の境内は自由なので、阿弥陀堂を外から眺めたり、すぐ近くに移築保存されている旧佐藤家住宅(重文)を見学したりして時間を潰した。
阿弥陀堂は方三間の簡素な建物で、
10時ちょっと前になって寺務所に声をかけ、いよいよ阿弥陀堂の拝観。中に入ると、堂内は真っ暗だった。前面の両脇扉を開放すると、薄く自然光が入った。徐々に目が慣れてくると、思いのほか大きな仏像が、光背が天井に付かんばかりの大きさで鎮座ましましていることが分かった。感嘆して、思わず声をあげてしまった。
住職氏は我々を仏前に招き入れると、並んで共に合掌・一礼したあとは、縁側に出てしまった。おかげでじっくり鑑賞できた。
阿弥陀如来は、いかにも平安仏な大らかな仏像だった。丈六というのがまたイイ。正面より斜めの方が顔立ちがいいが、右前と左前でも少し違った印象だ。
10分ほどしげしげと眺めてから、住職に礼を言い、寺を後にした。すっかり体が冷え切ってしまった。
タクシーで東北本線の大河原駅に出て、電車を仙台で乗り継いで、国府多賀城駅で降りた。目の前に東北歴史博物館があった。
ちょうど昼になったので、博物館1階のレストラン「グリーンゲイブル」で昼食をとった。どういうわけか、店内のオーディオがマニアックだった。腹を満たしたあとで、展覧会場に入った。
入るとすぐに、半円形に並んだ立像群が我々を出迎えてくれた。しかもケースに入っていない。正直なところ、国宝の鏡像以外は全く興味がなかったのだが、これはなかなか面白そうだと直感した。
明治・大正の絵馬とかのコーナーもあったが、そちらにはまったく興味がわかなかったので、完全にスルーした。
東北の仏像の魅力は、言い方は悪いが、ヘタウマなのだと思う。技術的な点数は決して高いとは言えないし、洗練されているわけでもないし、でもそんな中に不思議な魅力があるし、だからと言って全てが下手くそだと油断していると、正しく「鄙にも稀な」素晴しいものがあったりと(高蔵寺の阿弥陀如来は正にそうだ)、とにかく予想外で面白いのだ。
博物館を出たのは14時過ぎ。帰るにはまだ早い。
そこで、近くにある国宝ということで、ン十年ぶりに瑞巌寺に行ってみた。するとなんと平成の大修理とかで、肝心の国宝本堂が見られなかった。宝物館の展示も本堂の扉以外はなんだかぱっとしない。通常非公開の庫裡(国宝)の内部が公開されていたのが唯一の収穫と言えるか。700円の高額拝観料は、修理代を寄進したと考えるべきだろう。
松島海岸から仙石線で仙台に戻り、駅3階の牛タン通りで食事をしてから20時半の新幹線で帰った。家に着いたのは23時を過ぎていた。
(東北歴史博物館・2015年3月6日観覧)
昨年春に会津を旅行した際、勝常寺の住職が、「今度の冬に上野の博物館に薬師像を貸し出す」と言うのを聞いて以来、ずーーーっと楽しみにしてきた展覧会。しかも相棒がチケットをタダでゲットしてきて、もうテンション上がりまくりの日々であった。
気になるのは、会場が本館特別5室ということで、かなり狭いということだ。それはつまり展示数が少ないと言うことでもある。リストを見るとたったの19点。BS日テレ『ぶら美』で「仏像スペシャル」と銘打って法隆寺館とか東洋館に行っていたのは、1時間の放送枠を満足できなかったらに違いない。
どうせ人気なくて空いてるだろうと思ったが、念のため開館一番に行くことにした。9時半に着くと、案の定、人はさほど多くはなかった。ま、こんなもんだろうと思ったところ、特別5室の入り口はかなりの混雑。そう、人は少なくても、それ以上に、会場が狭いのだ。アブネー、早めに来てよかった。
あっという間に見終わった。人の動線がぐちゃぐちゃなうえに、みんな仏像を見上げながら移動するから、あちこちで人とぶつかりそうになった。再入場可能というので一度外に出て、本館を見学した。特集展示の水滴が面白かった。江戸時代の工芸はホントに奥が深い。
そのあとは法隆寺館に行き、1階のオークラでコエドビールを呑みながらまったりと昼食をとった。庭では冬鳥のシロハラも食餌をしていた。
食後に法隆寺館と東洋館を見学し、最後にまたみちのくの会場をぐるりと周り、絵ハガキを数枚と別冊太陽の東北仏像特集を買って帰った。
(東京国立博物館・2015年2月7日観覧)
青銅器好きの自分がこの展示に魅かれたのは、なんといっても大英博物館の双羊尊だ。この特異な形の青銅器は世界にたった2つしか伝わっていない。その一方がロンドンからやってきて、もう一方の根津美術館のシンボルとも言える双羊尊と対面するというのだ。もしかすると、この2つが並ぶなんて歴史上初の大事件かも知れない。ああもう、居ても立ってもいられない。
催しじたいは、未年だからとイギリスの羊を呼んで、さらに展覧会としてテーマを打ち出すために「動物」関連の作品を集めたと推測。
まあ、こんなマニアックな展覧会は人も少ないに違いないと、テキトーな時間に家を出たら青山に着いたのは昼過ぎ。とりあえず美術館に入り、庭にあるネズカフェでミートパイを食べて腹を落ち着かせてからの鑑賞となった。
会場に入ると、あまりの驚きに思わず声をあげてしまった。京都の泉屋博古館の世界的名品、
なにしろ双羊尊にしか興味がなく、展示リストをロクに見ていなかったので、まったく知らなかったのだ(実は、よくよく見たら、事前に入手していたチラシの左上にちゃんと虎卣が載っているのだが)。この虎卣も泉屋以外にはフランスにしかないという珍品である。ぱっと見、人が食べられているように思えるが、人を守っているのだという解釈する人もいる。
そして部屋をくるっと見てみると、極上の青銅器がわんさかと、あるわあるわ。泉屋が冬季閉館中とはいえ、よくもこれだけ出してくれたものだと狂喜乱舞である。
そして双羊尊である。2つが隣りあって並んでいる姿を勝手に想像していたのだが、それぞれ別のケースで斜交いに置かれていた。みんな行き来して見比べていた。
双方は似ているようでいて、口やら髭やら腹やら体の模様やら、意外なほど違いが多く、よくよく考えてみると似ているのは大きさと雰囲気だけ、と言った感じ。ロンドンの方が緑青が多いように見え、そのぶん根津よりも古ぼけているように感じられた。近年では、2つは制作年代が違うのではないかという研究もあるらしい。
ミミズクを象った泉屋の
(根津美術館・2015年1月31日観覧)
この展覧会の開催は知ってはいたけれど、特に観に行く気はなかった。しかし相棒が同僚に聞いたところでは、なかなかよいという話。しかも「これ、やらかしちゃったんじゃね?」と心配になるくらい空いているという。
じゃあ行ってみてもいいかな、と興味を持ったところで『ぶらぶら美術・博物館』で取り上げられた。たしかに、なかなか面白そうだ。
相棒と昼に横浜で落ち合って昼食にピザを食べ、のんびりと美術館へ向かった。着いた時は15時になんなんとしていた。
美術館前はなんだか人混みが凄かったが、これはどうやら目の前の広場で開催中の車の展示イベントのせいらしい。美術館のエントランスはやはり空いていた。しかし会場に入ると、なかなかの混み具合。少なくとも「やらかしちゃった」というほどは空いていなかった。会期が進んで巻き返したのか、それとも『ぶら美』放送の効果か。
展示は大きく人物画・風景画・ジャポニスムに分かれていた。ぶら美ではホイッスラーの生涯を年代順に追う構成だったから、そのつもりでいるとちょっと違和感を覚えるかもしれない。また、ぶら美でまったく触れられなかった「ピーコック・ルーム」なる部屋があった。かなり大きなコーナーなのに、ぶら美が完全スルーだったのが不思議なくらいだ。自分はあんまし興味が湧かなかったのですっ飛ばしたけど。
人物画はピンと来なかったが、風景画には良いものが多かった。気に入ったのは、月並かもしれないが、ノクターンシリーズだ。ノクターンシリーズはジャポニスムコーナーに配されていた。水墨画の影響がどうとか言う説もあるようだが、そんな能書きは要らないと思う。ていうか、こんな真っ黒な水墨画ねえだろ、と思う。
常設展は、シュルレアリスムの部屋はいつもどおりだったが、前衛美術が良かった。
絵ハガキを買って美術館を出た。すぐ近くのウミリアというイタリアンで夕食を楽しんでから帰った。
(横浜美術館・2015年1月24日観覧)
高野山の八大童子が10年ぶりに8人揃って出開帳というので、早割ペア券を買って待ち構えていた。実は、我々はその10年前の展覧会(「空海と高野山」東京国立博物館)も見に行っていて、ちゃんと図録も買ってある。チケット購入後に発表された出品リストを見てみると、その展覧会とかなりダブっていて笑えた。でも8人揃って拝める機会はそれ以来というのだから、べつに構わない。
のんびりめに家を出て、クリスマス飾りのミッドタウンに着いたのは11時過ぎ。前の週に見に行った職場の同僚によると「そんなに混んでない、作品数が少ないからすぐ見終わる」という話。しかし3階の会場入り口に到達すると、ロッカーに人だかりが。しまった、こりゃあ出遅れたか。
と、焦ったが、仏像などの大きなものがメインなので、作品前に大行列、というようなことはなかった。
記憶とは適当なもので、10年前に全員にお目にかかっているはずだが、チラシになったりするアイドル的な
やはり矜羯羅、制多伽は素晴らしい。あと、
ところでこの展覧会のチラシには『運慶作の国宝、八大童子勢ぞろい』とある。まるで8体とも運慶作のような表現だが、
しかし一番驚いたのは、帰宅後に高野山公式サイトを見て知ったのだけれど、あの指徳童子と阿耨達童子のお姿は、「秘要法品」なる書物にそのまんま同じ見本が載っている、ということなのだった。
同僚の証言どおり、確かにすぐに見終わってしまった。もう一周してから会場を出た。図録は10年前のものがあるので買わなかった。8人勢揃いしている絵ハガキを買って、帰った。
(サントリー美術館・2014年11月30日観覧)
後期の見所は、なんといっても徽宗皇帝筆の桃鳩図。公開が10年ぶりくらいというレアアイテムだ。で、さらに、公開期間がほんの1週間程度とさらにプレミア感に拍車がかかる。このお宝を拝むには、休日と合わせるとなると勤労感謝の3連休しかチャンスがない。
まあでも、前期に行った感じからするとどうせ空いているだろうと、土曜の午後に悠々と出かけることにした。
相棒と待ち合わせて昼食をとったあと、東京の三井本館に着いたのはもう3時近かった。
7階の美術館に直結するエレベータを降りると、1か月前と変わらない雰囲気。前回の半券を提示してリピーター割引でチケットを購入し、中に入ると、意外にも展示ケースに人が群がる状態で、明らかに前期よりも混んでいた。
馬蝗絆や飛青磁花生や油滴天目は前回同様(当たり前か)、美しかった。
最後にもう1周してから会場を出た。客の単眼鏡使用率が異様に高かった。どこぞの国宝展とは大違いで、それだけマニアが集まったということが言えるだろう。もちろん団体客なんかいる訳がない。美術が本当に好きな人しか来ないのだ。
会場を出るとすでに17時になんなんとしていた。近くのフランス料理店に電話してみると席が空いているというので、三越で時間をつぶしてから行った。思ったより高かったが、思ったよりはるかに良い店だった。いろいろと満足できた一日だった。
(三井記念美術館・2014年11月22日観覧)
前期は10月19日に行っており、後期はいつにしようかというのが思案のしどころだった。いよいよ金印がやってくるので混雑は必至だ。
加えてテレビ番組の宣伝攻勢も強まってきており、すでに放送ずみの『日曜美術館』『ぶらぶら美術・博物館』(←見逃した!!)に続き、『美の巨人たち』でも善財童子がとりあげられる。一風かわったところでは、なんと『もしもツアーズ』でも放送とのこと。
そこまで一般人の間でも知られてしまっては、もう土日なんかに入ったら大変なことになるに相違ない。ということで、仕事のやりくりをつけて、金曜午後に突入することにしたのだった。
相棒と上野駅でおちあい、エキナカで軽く昼食をとった。この間、公式サイトの混雑状況を確認すると、12時過ぎに入場規制が始まって、入場待ち時間が40分とのこと。陽気もいいし、それくらいなら待ってもいいだろうと予定どおり突入することにした。
正門付近は閑散としていて「ホントに混んでんのかな」とも思ったが、平成館まで行くと確かに行列が出来ていた。入口から噴水を半周したあたりが最後尾。これで40分か、ふむふむ。
我々が並びはじめたのが13:55で、入場は14:20過ぎ。実際に待ったのは、だいたい30分くらいだった。後期になって展示されたものを中心に見てまわった。
入場規制がされていることもあって、場内は混んではいるけどまあ想定の範囲内というところか。金印は過去にじっくり見たので今回は華麗にスルー。だって、間近で見たい人の行列が、もんのすごいことになっているんだもの。
2周してから土偶ガチャガチャをやったら、中空土偶が出てきた。前回、合掌土偶と縄文の女神が出ているから、これで3つになった。縄文のビーナスが出るまでやろうかと思ったが踏みとどまった。国宝店は凄い盛況ぶりだった。
(東京国立博物館・2014年11月21日観覧)
東急東横店でイタリアフェアが開かれるということで、ワインなど食材の買い出しに出掛けることにした。折角渋谷まで行くのに買物だけではもったいないので、何か展覧会と組み合わせようということになり、調べてみると松濤美術館で醍醐寺の絵因果経が全場面展示中というので、ついでに行ってみることにした。
ついでのつもりだったのだけど、(そのせいもあってか)予想外に満足の展覧会だった。
どうせ空いているだろうと遅めに家を出た。井の頭線を神泉駅で降りて徒歩数分の松濤美術館に着いたときはすでに午後になっていた。
果たして、予想どおり、美術館は入口からしてひっそりとしていた。購入したチケットの番号は1295と1296だった。地下の第一会場に入ると、いかにも絵巻らしい横長なケースに人々が一列に並んでいるのが見えた。
2周した。冷静に展示数から考えれば、入場料1,000円は高いと思う。しかし、絵因果経が見られるんだ、くらいの軽いノリで行ったところにあの閻魔天像が見られて、しかも静かな環境で、すっかりトクした気分になったのだった。
区立美術館の企画だからか、展覧会オリジナルのグッズは図録のみと寂しかった。いや、というより、図録を作るほど気合が入っているという見方の方が正しいだろう。値段も1,200円と安いから買っちゃおうかな、とも思ったが、結局やめた。今はやや後悔している。
美術館を出てからは予定どおりに東急東横店に行った。会場の半分は立ち飲みバルになっていて、ワインを飲んだり、ラザニアを食べたりしてから帰った。東横店ではイタリア展は初開催らしいが、見かけたことのないワインもたくさんあって、これまた予想以上に楽しかった。
(渋谷区立松濤美術館・2014年11月2日観覧)
この秋は国宝の展覧会があちこちで開かれている。もちろん、日本国宝展が最大のものなのだろうが、実は三井のこの展覧会も見逃せない。全部で12もの国宝が見られるのだ(もっとも、展示替えがあるから、全部見るには3回行かないといけないのだけど)。
昼過ぎまで東博で日本国宝展を見たあと、上野から山手線に乗り神田で降りて、三井本館に着いたのは14時半くらい。
混雑具合は、というと、ほどほどだった。テーマもそうだけど、出品作品がシブすぎる。
青磁茶碗でもっとも美しいとあった。実に素晴らしい。
2周した。一言で言って、とてもよい展覧会だった。とにかくシブい。これだけの出物があっても東博みたいに混んでないのがまたイイところ。
絵ハガキは、この展覧会のために特別に作られたものではなく、所蔵するあちこちの施設のオリジナルのものを売っているだけなのは残念だったが、それでもジョウビタキと截竹と雪中帰牧図の3枚を買った。
三井を出てからは東京駅の大丸に行き、ちょうど開催されていた「世界の酒とチーズフェスティバル」でワインを楽しんだ。一日中立ちっぱなしで腰が痛くなった。
(三井記念美術館・2014年10月18日観覧)